第7回 過激なゲームは絶対禁物です!

 昨年は地震や台風などの自然災害の多い年でした。そして幼い少年少女の、考えられないような残虐な事件も数多く起きた一年でした。

 そういう事件の報道を見ていて、あるひとつの特徴があることに私は注目しています。それは、人を殺した後の、その加害者である少年少女の「態度」です。「父母を殺した後、妹としばらく談笑していた」「取調べのとき、淡々としている」といった報道を見聞きされていることと思います。

 もし、私が、まかり間違って人をあやめてしまったとしたら、それこそどこかに隠れて布団にでもくるまって、ブルブル震えていることでしょう。なのに、その子どもたちは、「淡々と」しているのです。なぜでしょうか?

 以前、「殺人ゲームの影響」という題で、殺人や格闘の過激なゲームの悪影響について書いたことがあります。すっぱいレモンを想像しただけでつばが出てくる。これはイメージによって、脳が間違った信号を送るわかりやすい例です。

 大変精密にできている人間の脳ですが、このような「欠陥」がある。繰り返しインプットされた情報について、脳はイメージしたものと実際に体験したこととの区別ができないのです。

 では、殺人ゲームを何度も何度も繰り返した子どもの脳はどうなるでしょうか?もうおわかりですよね。そう、その子の脳は、無意識のレベルで実際の殺人とゲームとの区別がつかない状態になっているのです。だから淡々としていられるし、また簡単に人を殺すことができるわけです。

 だからこそ、特に脳の基礎ができる幼児期には過激で特にリアルなゲームは絶対避けていただきたい。ご家族がされているのを見るのも同じです。

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かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)