第3回 ついイライラ2

夫婦でカウンセリングにやってきたクライアントさんの話です。

 奥さんが反省したように言いました。
 「子どもに強く言わないようにしなきゃって、頭じゃわかっているのに、つい泣き出すまで強く言ってしまうんです」
 ご主人が奥さんを暗に責めるように言いました。
 「子どもだって悪気があって出来ないんじゃないんだよ」
 奥さんが反論しました。
 「私だってわかっているのよ」
 ご主人は更に責めました。
 「わかっていても出来ないのは、わかっていない証拠だよ」

 私は、この夫婦の関係を少し変えてみることにしました。お互いにゆるしあえるようにしたいと思いました。
 「ご主人は子どもさんのことを心配していらっしゃるんですね。そのためにひとつ提案があります。奥様がイライラすることをゆるしてあげて欲しいのです」

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幼稚園や小中学校での講演活動や個人カウンセリングで活躍中の心理カウンセラー、倉成 央がおくるコラム式カウンセリング。 講演現場での出来事やカウンセリングなどの実体験を織り交ぜながら、様々な心理的アドバイスを紹介していきます。

<倉成 央 (くらなり ひろし)>
1963年生まれ。福岡県出身。大学卒業後、経営コンサルタント・企業経営の経験を経て、心理カウンセリングを行なう。認定心理士、産業カウンセラー、日本TA協会会員。個人カウンセリングのほか、福岡や東京で随時開催している集団カウンセリング(ワークショップ)も行なう。「今までに解決しなかった問題が一度でなおった」「別人のように明るく、前向きになったといわれる」など、カウンセリング技術の高さには定評がある。学校施設、企業などにおいて講演活動も活発に行なっている。

不登校・いじめ・母親のストレスなどの子育て問題、恋愛・夫婦関係などの問題、起業におけるモチベーションアップなど、様々な分野で活躍をしています。
倉成 央 著 「ゆるしのメッセージ」