そのお母さんの子どもさんは小学校の障害児学級にいます。
「あの子は5歳のとき、靴がちゃんと自分で履けたんですよ」
お母さんはニコニコ顔で初めて靴を履けたときのことを話します。
普通だったら、5歳の子が自分で靴を履くのは当たり前のことかもしれません。でも、
「そんな当たり前のことを心から“良かった?”って思えるんです」
絵を描いたとき、
「お花に色を塗ることができたんです」
花に色を塗るのは当たり前かもしれません。
でも普通は、初めて色を塗ることが出来た日のことなんて覚えていかもしれない。
もしかすると子どもがいつの間に絵に色を塗ることを覚えたかも知らない。
当たり前のことを気づけるってすごいです。当たり前のことを感動できるってすごいです。
当たり前のことは、毎日子どもが見せてくれているのに、いつもいつも気付かずに見落としているかもしれません。
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幼稚園や小中学校での講演活動や個人カウンセリングで活躍中の心理カウンセラー、倉成 央がおくるコラム式カウンセリング。 講演現場での出来事やカウンセリングなどの実体験を織り交ぜながら、様々な心理的アドバイスを紹介していきます。
<倉成 央 (くらなり ひろし)>
1963年生まれ。福岡県出身。大学卒業後、経営コンサルタント・企業経営の経験を経て、心理カウンセリングを行なう。認定心理士、産業カウンセラー、日本TA協会会員。個人カウンセリングのほか、福岡や東京で随時開催している集団カウンセリング(ワークショップ)も行なう。「今までに解決しなかった問題が一度でなおった」「別人のように明るく、前向きになったといわれる」など、カウンセリング技術の高さには定評がある。学校施設、企業などにおいて講演活動も活発に行なっている。
不登校・いじめ・母親のストレスなどの子育て問題、恋愛・夫婦関係などの問題、起業におけるモチベーションアップなど、様々な分野で活躍をしています。
倉成 央 著 「ゆるしのメッセージ」