第12回 「ハワイの夏の子供向けプログラムの状況」

ALOHA! 日本ではもう夏休みですね。ハワイを訪れる日本人観光客も、最近では家族連れが大変多くなっております。日本の学校(大学を除く)の夏休みは40日間というのが一般的でしたが、最近は日本でも各学校・幼稚園で様々な夏休みの長さがあるのでしょうか?

こちらの学校は、ご存知のように秋から始まり6月初めに一年間のコースが終わります。ですから9月から始まる学校ですと、3ヶ月近くも夏休みがあるのです。これは学習習慣を失い易く、良くないと、最近ハワイの学校では異なるキャレンダーを採用する学校が増えております。つまり夏の休日を冬休みや春休みに振り分けて、8月から始まるキャレンダーを採用しています。それでも約2ヶ月ある夏休みは、親にとって嬉しくもあり、忙しくもあり、頭痛の種でもあり、、、、、特に働いている親にとっては大問題です。

ハワイには働く親が半数以上おります。夏休みになると親類や友人を頼って親の国やアメリカ本土を訪れる子どもが増えます。ですから夏休みになるとハワイでは子供の姿が圧倒的に少なくなるのです。

又、子どもが夏休みの間通えれる、公立のサマーファン(楽しむことを目的としたプログラム)やサマースクール(学習を目的としたプログラム)が一ヶ月半ほどあります。私立の施設ではもっと時間の長いプログラムもあります。

最近日本から子どもの英語学習のために、夏の間のプログラムに子どもを参加させる目的でハワイに滞在する若いお母様が増えております。日本のインターナショナルスクールでは、日本人の生徒が急増して英語学習が危ぶまれると聞いておりますが、ハワイも似たような現象が起こっております。

ハワイに住んでいる親達で子どもをこのような私立の夏のプログラムに参加させている親達は、子どもをこのようなプログラムに参加させても仕事のための時間を作る必要がある経済状況の家庭もあります。ハワイにおける幼児教育施設の費用は、こちらの生活費の中でも大変高く、共稼ぎ夫婦の一人分の給与が子どもに取られてしまうと嘆く親も多いのです。

ところが日本から夏休みにハワイ滞在する日本人家族は、かなり経済的余裕のある家計の家族が多いので、プログラムで必要となる諸経費は快く出資するし、子どもの持っているものも現地の子ども達より高価なものが多いです。ですから、プログラム主催者は当然利益率の良い日本からの参加者を積極的に募ります。

でも私の考えでは、これらの状況の中で双方の子どもにメリットのある状態は、80%以上が現地の子どもの属しているプログラムが理想的です。(念のため、夏の子供向けプログラムは現地の子供たちにとって、親の都合だけでなく、友達が少なくなる夏の間の大事な社交の場でもあるのです。)

日本からのプログラム参加者が全体の20?30%になったら、これはもう日本社会の延長と同じです。英語学習どころか、子供同士も日本語に頼ってしまうし、親達も日本人の親たちがいることに頼ってしまって、日本社会以上に狭い村意識を形成しかねません。その中で英語の強い親に他の親たちが当然頼るようになり、折角ハワイまで来たのに必要以上の気使いや、狭い人間関係の噂や感情のすれ違いに嘆いたり悔やんだりしたのでは意義がありませんよね。

以前身体障害をもった日本女性がハワイ大学の英語クラスを受講した時、私は彼女とお話したことがあります。彼女のクラスのほとんどの受講生が日本からの留学生だったそうです。彼女はそのクラスメイト達から日本にいた時以上に強い差別を受けて、英語の学習どころか心に深い失望を受けてハワイから帰りました。これは大変残念な例です。

勿論自分の子どもに何を体験させ、何を学ばせたいのか、その選択は親御さんがするのですから、どのようなハワイ滞在にするのかはそれぞれの親御さんの考えがおありでしょう。

この夏日本からハワイに来られるお子様達が、ハワイ滞在が短くても長くても、地球色の海に感動し、貿易風と心から戯れて、ハワイで接する異なる文化や人に暖かい理解をしめし、親御さんともども素敵な時間を過ごされるように、、、、、それが私のささやかな願いです。

ノブコ タカハシ ムーア
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シーライフ・パーク
私の住んでいる東ホノルルを抜けて裏オアフに入る岬は、マカプウ岬と呼ばれ風光明媚な観光名所でもあります。この岬近くに、海洋生物と楽しく接することを目的に建設されたシーライフパークがあります。水族館というよりもテーマパークです。私が以前訪れたときには、サメのお腹から発見された物が陳列されており、
「へー!サメってこんなものまで飲み込んじゃうの!」と子ども達と奇声を上げたものです。イルカのショーも楽しかったです。
日本語の案内がありました。詳細はこちらでどうぞ。
http://www.atlantisadventures.com/jp/hawaii/sea/sealife.htm
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>