第15回 「大切なものを大切に」

ALOHA! 世界のあちらこちらから、紅葉のたよりが届くようになりました。
アメリカ本土のワシントン州はもうすっかり秋もふかまったようですし、
ヨーロッパのアムステルダムでも紅葉の美しい季節となったようです。
日本の紅葉というと、私は真っ先に紅色のもみじと黄金色のイチョウを思い出します。ハワイでは紅葉を楽しみながら季節の移り変わりを知らせてはもらえませんが、スパーマーケットに漢字で梨とかかれたペアが並びハロウィーンの商品やカボチャが並ぶと、秋の到来を知らされます。

人にとって大切なものは、その時代、心情、生活環境等によって様々に変わりますよね。高校時代私にとっての宝物は、国連マークの付いたエアー・メイル

(航空書簡)でした。当時「国連ガイド」になりたくても、相談相手もなく情報も殆どありませんでした。40年ほども前のことですから、もちろんインターネットもありませんでした。そこで思い切って、ニューヨークの国連本部に問い合わせの手紙を出しました。その返事が届いた時の驚きを嬉しさ!国連本部の広報部にすれば問い合わせに応答した当たり前のことではあったのでしょうが、私にとっては「この世の中、自分の気持ちを現したら何処かに受け止めてくれる人がいるのだ!」との感動まで伴なって届いた、国連マーク付きのエアー・メイルでした。その後数年間、この宝物は私の手元にずーとありました。

他人にとってはたわいのないものでも、本人にとっては大切なものって沢山ありますよね。子ども達も同じです。大人にとって大切なものでも子どもにとってはつまらないものであったり、子ども達にとっては宝物であっても大人にとってはガラクタであったり、、、、、、、、、。

今はワシントン州の同じ大学に在籍している私の娘二人が、日本で幼稚園に通っていた頃、ママゴト遊びに夢中になっていました。泥に水を加えては、パイやケーキを作り、木の葉、木の実、小石や小枝で、パイやケーキを飾り立てては悦に入って満足していました。その頃の娘達にとっては、河原で見つけた美しい小石や海に行った時拾った変わった形の貝殻が大切に小箱に入れてありました。道端で見つけた美しい鳥の羽を、大切にしていた時もありました。自然からの贈り物は、彼女たちにとって捨てがたい大切なものでした。

一方、当時流行していた高価なおもちゃは、めったに娘達には与えませんでした。
経済的理由もありますが、年いった親の目には、子供心を奪うプラスチック製の消費一辺倒のおもちゃには、財布の紐をきつくしたものです。温もりのある木製のおもちゃや工夫を凝らした創作おもちゃには、逆に私の財布の紐はゆるんでしまいます。たまに見つけるおもちゃに娘達は大喜びし、大事にあつかい、おもちゃも長持ちしました。主人も私も昔人間ですから、包装紙、紐、空き瓶、空き缶の再利用を率先しました。物を大切に使うことを考えるようになると、地球資源を大切に使うことにも気ずくようになります。

その子にとってその時の大切なものを尊重して上げることは、とっても大事なことです。他人の大切なものを尊重することを学びますし、いずれ、皆にとって大切なもの?命、自然の恵み、地球環境・資源等―を大切にする心を育ててくれるからです。

お子さんの大切なものをしまっておく引き出しを、時々そっとのぞいてあげて下さい。そこに何が入っているのか、お父さん、お母さん、知っててあげて下さい。
お子さんが自分のお部屋も引き出しも持っていなければ、お子さんの心の引き出しを開けて下さい。なにげない会話の中から、心の引き出しを開けるチャンスがあるはずです。大切なものが理にかなったものなのか見極めた上で、お子さんの大切なものを尊重してあげて下さいね。もしも、理にかなわない、腑に落ちないものがお子さんの引き出しの中に入っていたら、それをとっておく理由を親として知るべきです。こういう時は決して感情的にならずに、冷静になってお子に尋ねて下さい。お子さんの真っ白な、でも小さな心に疼いていた痛みを見つけ出すこともできるのです。

ノブコ タカハシ ムーア
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ハワイの州立図書館
ハワイにきちんとした住所をもつと、州立図書館の書籍やビデオを借りれるカードを発行してくれます。カードを持っていなくても、図書館には誰でも自由に入れます。ただし、飲食は禁止ですし、他人に迷惑になるようなお喋りも禁物です。一番大きな州立図書館は、ダウンタウンにありホノルル市庁舎とアメリカ唯一の王宮であるイオラニ宮殿の間にある州立図書館本館です。
ここには日本語・韓国語・中国語の書籍のコーナーもあります。私はここの中庭にある椅子とテーブルがお気に入りです。風通しが良いですし、静かですし、しかも誰にも邪魔されずに好きな本を好きなだけ読めれます。お子さんの児童書読書コーナーもあるので、観光地とは異なるハワイを体験されたい方にお薦めです。余談ながら、こちらで本をかりると3週間の期限で、借りる数に制限はありません。お陰で私はいつも10冊20冊と抱えて図書館を出てきます。
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