「米川さん、保護者の方々のご協力が、幼稚園には、絶対必要なのです。ともに子育てをするのが幼稚園なのですよ」
以前、長野県の白百合幼稚園に、橋上先生と一緒に見学にうかがった折、園長先生から聞かせていただいた言葉です。
幼稚園によっては、できるだけ保護者に負担をかけないようにすることによって入園希望者を募っていらっしゃるところもある。
言葉が適切ではない、とご指摘を受けるかも知れませんが、私はいつもこういうのです。「幼稚園は断じて『コインロッカー』ではない」
子育て支援、はしていくべきです。しかし、私は、子育て「放棄」支援はしたくない。子育て支援の目的は、決して子育てを「楽」にすることでは、ない。子育ては、みなさま十分ご承知のとおり、「しんどいもの」です。決して楽ではない。それは一人の人間を育てる、という、とても重要で、大切で、大変な「一大事業」です。楽なわけがありません。
私は、子育ては、「しんどいけど、楽しいな」、と思っていただく、そのようにかかわらせていただくことが、幼稚園のできる、最高の子育て支援だ、そう考えているのです。
保護者の方と私どもが「ともに子育てをする」、それが幼稚園なのです。
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かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)