Author Archives: admin

第16回 「自分磨き」のススメ

幼稚園児をお持ちの皆様、久し振りに自由時間が持てますね!!

暑く長かった今年の夏もそろそろ終盤に近づき、お家の中を走り回っていたお子様もようやく幼稚園が始まって、ホッとなさっておられる事でしょう・・・・。

さて、そんな皆様に少し“ご自分磨き”をお薦めしたいと思います。

1日は24時間、その3分の1は眠っているとして、あとの16時間をどのように過ごしていらっしゃるか、改めて考えて見るのも良いのではないでしょうか・・・・。

おそらく、朝は6時30分から7時起き、朝食の仕度をなさりご主人を送り出し、次にお子様を幼稚園へ送っていかれる、その後の3時間程で家の掃除や洗濯、お買い物、そして幼稚園のお迎え時間がすぐにやってきて、お子様を連れて帰ってからはとにかく何が何だか追われて時が経つ、そうして早くも夕食の仕度、お子様と夕食、お風呂、お子様を寝かしつけて、それからがご主人のお世話、そしてやっと就寝・・・・・。

細かいところは別として、こんなタイムスケジュールで毎日毎日を送っていらっしゃるのではないでしょうか?

何だかこれって自分自身はどこ?って感じですよね。

確かにどこで時間を取れば良いの?というタイムスケジュールになっていますが、改めて時間を見直してみればどこで時間を作れるかは一目瞭然ですよね。

お子様を幼稚園に送っていった後からお迎えまでの約3時間、この時間をいかに上手に使うかです。

今は掃除も洗濯も殆ど機械がしてくれる時代です。
だとしたら、朝10分早く起きて洗濯物の仕分けをし、洗濯機のボタンを押してから朝食の準備に入り、幼稚園の送りから戻ってきたら即家中の掃除機をかけ、埃を払い掃除を終える。

そうしているうちに洗濯物が出来上がりますよね。
しかしながら、そこでご自分で洗濯物を取り出して干し始めてはだめですよ。
洗濯物は、幼稚園から帰ってきたらお子様に手伝わせて一緒に干すことが大事です。

そのまま残しておきましょう。

買い物だって、場合によっては家まで届けて頂ける時代です。
バーゲンだからそんな事は行っていられない、という時でも幼稚園の帰り時にお子様と一緒になさっては如何でしょうか。

だとしたら、この3時間は掃除機をかけて埃を取る掃除の時間に1時間ほどを回すだけで残りの2時間は余裕でご自身の時間に充てられるのではありませんか。

結婚前になさっておられた仕事や趣味、これからしてみたいなと思っていらっしゃる事、何でも良いのでそれらに関連する“何か”をしてみては如何でしょうか?

お美顔だって良いのですよ、いつまでも若く綺麗でいることはとても良いことです。プランターで花や野菜を作るのも良いかもしれません。英会話をなさるも良し、とにかく“自分のためだけの時間を作る”という事です。

そうすると、お子様のこと、ご主人のこと、ご家族全員のことがゆっくりと落ち着いた気持で見たり、考えたり出来るようになると思いますよ。

もう少しで本格的な秋の到来、新しいことをなさり始めるには良い時期ではありませんか?

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

—————————————————————————

元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第13回 「親の責任」

ALOHA! 皆様楽しい夏をすごされましたか?

日本からの海外渡航先で、この夏最も人気のあったのがハワイだそうです。一応アメリカ合州(衆)国の一部なのですが、日本語も良く通じるので日本国ハワイ県と勘違いされる日本の方も多いようです。確かにご家族で日本からハワイに来られる方々が毎年増加しています。しかも親御さんの年齢は毎年若くなっているようです。子供がある程度の年齢に達してからご家族揃ってハワイに来られるのではなく、親御さんが行きたい所には乳飲み子でも連れてゆくとの考えなのでしょうか?子供連れで気軽に出かけれる時代の風潮もあるようです。

幼稚園児の年頃は、もうオムツもミルクも持ち歩かなくって済むし、様々な見聞に率直に反応を示してくれるので海外に連れてゆくのには理想的な年頃の始まりだと思います。親御さんたちは躊躇しても、お子さん達は躊躇せずに「アロハ!」(こんにちは!)や「マハロ」(ありがとう)と現地語で大きな声で挨拶してくれます。ついこちらも言葉を返したくなりすよね。ハワイの明るい太陽光線とやさしい風に開放されたお子さん達の元気なエネルギィーから、こちらまで元気をいただかせてもらっております。こういう明るい元気印のお子さんの親御さんは、お子さんとのコミュニケーションも家庭での躾も上手にしていらっしゃるようです。

ただ中には困った親御さんも時々いらっしゃいます。以前にもお話しましたように、お子さんの教育には、人間生活の基本を教える家庭教育、他者との関係や社会ルールを学ぶ社会教育、学問知識と集団生活を学ぶ学校教育がありますが、これらの3教育の区別がつかない親御さんがいらっしゃいます。

例えば、公の場で子供が他の人たちの迷惑になるような行動(勝手に騒いだり、走り回ったり)をとったら注意するのは大人の責任です。私がそのような子供たちの行動を説得して制止すると、そばにいた親は気づかなかったことを侘び私にお礼を言います。ハワイはそれが通常で、これは社会教育としての大人の責任です。ところが、日本から訪れている親御さんの中には、注意する私をにらみつける方もいらっしゃいます。そして「やめなさい!あの人に怒られるから!」と言うような態度をとります。お子さんもその時だけは行動をやめても、こちらの目を盗むようにして、又同じ行為を始めます。親御さんは見て見ぬふり。こうなると、私はその親御さんの家庭教育における親の責任を疑ってしまいます。

こちらでは、未成年者に対する親の責任は日本以上に徹底しています。12歳以下の子供を、18歳以上の保護者・責任者なしに車やホテルの部屋に残しておくと親の責任を法律で問われます。この年齢は日常的な危険や非常時の危険に対する判断が出来ない年頃なので、判断出来る大人を側に置いておかない以上は親の責任を追及される訳です。

以前日本にいた時、近所の子供たちがマッチで遊んでいるのを通りかかった主人が見つけ、英語であったためか、言葉で言っても聞かない子供たちの危険を察した主人が、火のついたマッチを持った幼児の手を払ってマッチを落とさせ火を消しました。そうすると現場にいなかった親達が警察に「子供が暴力をふるわれた」と通報し、警察官が我が家に来たことがあります。私たちは警察官を家に招き、じっくりとこのケースを話し合いました。その結果彼らのアドバイスは、子供への注意には体への接触は避けた方が良いとのことでした。警察官でも、体に触れると問題になるとか。

でも、ケースバイケースがあるのではないでしょうか。私も主人も警察官の常識も説得性もないアドバイスに、呆れてしまいました。火のついたマッチで遊んでいる子供を説得している間に、マッチ棒が短くなり「熱い!」と子供たちが火のついたマッチを投げたらどうするのでしょうか?その火が、近くに散らかっている子供たちの食べたお菓子の包装紙に引火し、風がその包装紙を舞い上げたら、、、。火事さえ起こらなければ、親の責任は全く無いのでしょうか?子供の手の届くところにマッチを置く、その危険性を教えていないのは、親の責任です。でも、親に一日中子供から目を離すなと言っても困難です。だとしたら、危険を察知した大人の責任です。私たちは、この出来事で、日本の子供に対する社会教育意識の貧弱さに本当に落胆させられました。

私の余計な心配かもしれませんが、家庭教育における親の責任の怠慢を棚に上げて、何か起こると社会や学校に責任を追及する親御さんが日本で増えているようですが、、、、。「幼稚園ねっと」を通してお子さんの未来を真剣に考えていらっしゃる皆様方には私の心配は無用ですが、もしも周囲にそのような方がいらしたら何かの方法で気づかせて上げて下さいね。子供は未来社会を築くための、みんなの大事な投資(英語的表現ですが)なのですからね。

ノブコ タカハシ ムーア
************************************
ハナウマ・ベイ
私の住んでいるオアフ島の東部には、火山の火口が波に洗われて出来たハナウマ・ベイ(湾)があります。その湾は、長い歳月が培った珊瑚礁が生息し、古代ハワイ王族しか訪れることのない神聖な場所でした。時代が変わってエルビス・プレスリーの映画「ブルー・ハワイ」でハナウマ・ベイが紹介された頃から、観光地として一躍有名になりました。現在では珊瑚礁保護のために、色々と規制もありますが、スノーケルをつけて魚たちと泳げれるこの美しい湾には是非一度訪れて下さい。指定された魚の餌を買って水辺で魚たちと戯れるのも楽しいですよ。
************************************

多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第15回 「小さな親切」をはじめよう

皆様、暑い日が続いておりますが、お元気でいらっしゃいますか?

暑っ苦しい毎日、何となくイラツキがちなそんな中、先だって笑っちゃうような、でも何となくほのぼの?とした光景を目の当たりにしました。
それは、仕事に行く途中での車中のできごとでした。

地下鉄に乗っていた私がぼんやりとしていると『千駄木』駅に到着したらしく、ドアが開いたなと思いながら何気にそのドアに目を向けると“いかにも”という感じの、その割には細くて小柄な『突っ張り兄ちゃん』が大股開きで乗りこんでくるのが見えました。

そしてその兄ちゃんは、ちょうど私の斜め前の空席を見つけゆっくりとその席に歩みより、大股を開き、腕を組んでどっかりと座り込みました(小柄なせいか、あまり“こわそう”ではない)。

千駄木駅からは、その後も引き続きたくさんの乗客が乗りこんできたのですが、その乗客の中の小学3年生くらいと思われる男の子とお腹の膨らんだ母親の親子連れが空席を探してキョロキョロとしはじめたのです。

するとどうでしょう、即、その兄ちゃんが母親のバックをトントンとたたき、「俺、北千住で降りるからよ」と、これまた細い身体に似つかわぬ太いダミ声で言い、席を立ち上ったではありませんか・・・・。

一瞬驚きの表情を浮かべながらも「有難うございます」と言って座り込んだ親子、その後席を譲りドアの側に立っている兄ちゃんに向かって頭を下げる母親、兄ちゃんはちょっと気分良さそうにそのまま股を開き、腕を組んで立ち続け『北千住』までその姿勢を保っていました。
そして北千住駅に着くと、ゆっくりとした足取りで降りて行ったのです。

実はその母親は、私には“ただの太目のお母さん”にしか見えなかったのですが、突っ張り兄ちゃんには『妊娠中』と思っての親切心であったのだろうと思われます。

でも、いいではありませんか、人間関係が希薄になってきている昨今、どんな理由だって優しい心が嬉しい光景でした。

突っ張り兄ちゃんにとっても、とても気持ちの良い1日だったに違いありません。

夏休み、1日に一つ、小さな親切をご家族の皆さんでできることから初めてみませんか?
お盆休みなどでお出かけの時、久し振りにお目にかかるおじいちゃまやおばあちゃまに、旅の途中で巡り合った人々に、ご近所とのお付合いの際に、ご自身の気持の持ち方一つで相手様にも自分にも心豊かな生活が送れる事は必至です。

今日も暑い1日です。

でも、とてもほほえましい、気持の良い1日でした。

あの突っ張り兄ちゃんは、明日も親切な心をお人に与えてくれるのでしょうか・・・・・。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

—————————————————————————

元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第10回 子どもがひとまわり大きくなる時 ?活動のプロセスが心を成長させます?

 お子さんを育ててこられた中で、子どもがぐんと成長したと感じられるときはどんなときだったでしょうか。毎日毎日寝返りをしようとがんばっていた子がある日を境に難なくできるようになった。食べさせようとする親の手を「自分でする」とばかりに払いのけて手づかみで食べていた子が、スプーンを使わせているうちに上手にすくって食べられるようになった。何もできない状態で生まれてから今までのお子さんの成長には目を見張るものがあったはずです。

 人間がひとまわり成長するときには、次のような過程を経ていくという特徴があげられます。

 ? 自分の意思で取り組む。
 ? 選んで始めたものに一生懸命関わる。何回も繰り返したり、難しくても投げ出さずに集中して関わる。
 ? 乗り越えたことで、達成感を味わい自信をもつ。

 このような経験をすると、不思議と心が安定し、積極的になり、人に優しくすることができるようになります。これは幼い子どもだけではありません。心が荒れて粗暴な振る舞いをするようになってしまった子も、自分で自信を持てるまで活動をやり遂げ、深い充実感を味わったときに変わっていくということがいわれています。

 「初めてのおつかい」という番組をご存知でしょうか。小さい子どもが頼まれたおつかいを自分の力でやり遂げる姿を見守る番組です。困難に出会っても誰に頼ることもできない状況の中、子どもは懸命に自分の力で乗り越えます。これはまさに先にあげた過程を経て、子どもたちが精神的にたくましくなった姿を見せてくれる例です。

 このような「自分の成長のための仕事」ともいえる過程がモンテッソーリ教育の中でも用意されています。子どもが自分で仕事を選び、集中して関わることで達成感を味わう。この経験をつむことで、自分のことができるようになるというだけでなく、もっと深いところで子どもは成長を遂げます。調和の取れた、人に思いやりの心をもつことができる人になっていくのです。

 ご家庭でお子さんの活動を見るときも、このプロセスを大切にしてあげてください。できた、という結果だけが大事なのではありません。過程が心を育んでいるのです。

—————————————————————————
新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である?フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。

第12回 「ハワイの夏の子供向けプログラムの状況」

ALOHA! 日本ではもう夏休みですね。ハワイを訪れる日本人観光客も、最近では家族連れが大変多くなっております。日本の学校(大学を除く)の夏休みは40日間というのが一般的でしたが、最近は日本でも各学校・幼稚園で様々な夏休みの長さがあるのでしょうか?

こちらの学校は、ご存知のように秋から始まり6月初めに一年間のコースが終わります。ですから9月から始まる学校ですと、3ヶ月近くも夏休みがあるのです。これは学習習慣を失い易く、良くないと、最近ハワイの学校では異なるキャレンダーを採用する学校が増えております。つまり夏の休日を冬休みや春休みに振り分けて、8月から始まるキャレンダーを採用しています。それでも約2ヶ月ある夏休みは、親にとって嬉しくもあり、忙しくもあり、頭痛の種でもあり、、、、、特に働いている親にとっては大問題です。

ハワイには働く親が半数以上おります。夏休みになると親類や友人を頼って親の国やアメリカ本土を訪れる子どもが増えます。ですから夏休みになるとハワイでは子供の姿が圧倒的に少なくなるのです。

又、子どもが夏休みの間通えれる、公立のサマーファン(楽しむことを目的としたプログラム)やサマースクール(学習を目的としたプログラム)が一ヶ月半ほどあります。私立の施設ではもっと時間の長いプログラムもあります。

最近日本から子どもの英語学習のために、夏の間のプログラムに子どもを参加させる目的でハワイに滞在する若いお母様が増えております。日本のインターナショナルスクールでは、日本人の生徒が急増して英語学習が危ぶまれると聞いておりますが、ハワイも似たような現象が起こっております。

ハワイに住んでいる親達で子どもをこのような私立の夏のプログラムに参加させている親達は、子どもをこのようなプログラムに参加させても仕事のための時間を作る必要がある経済状況の家庭もあります。ハワイにおける幼児教育施設の費用は、こちらの生活費の中でも大変高く、共稼ぎ夫婦の一人分の給与が子どもに取られてしまうと嘆く親も多いのです。

ところが日本から夏休みにハワイ滞在する日本人家族は、かなり経済的余裕のある家計の家族が多いので、プログラムで必要となる諸経費は快く出資するし、子どもの持っているものも現地の子ども達より高価なものが多いです。ですから、プログラム主催者は当然利益率の良い日本からの参加者を積極的に募ります。

でも私の考えでは、これらの状況の中で双方の子どもにメリットのある状態は、80%以上が現地の子どもの属しているプログラムが理想的です。(念のため、夏の子供向けプログラムは現地の子供たちにとって、親の都合だけでなく、友達が少なくなる夏の間の大事な社交の場でもあるのです。)

日本からのプログラム参加者が全体の20?30%になったら、これはもう日本社会の延長と同じです。英語学習どころか、子供同士も日本語に頼ってしまうし、親達も日本人の親たちがいることに頼ってしまって、日本社会以上に狭い村意識を形成しかねません。その中で英語の強い親に他の親たちが当然頼るようになり、折角ハワイまで来たのに必要以上の気使いや、狭い人間関係の噂や感情のすれ違いに嘆いたり悔やんだりしたのでは意義がありませんよね。

以前身体障害をもった日本女性がハワイ大学の英語クラスを受講した時、私は彼女とお話したことがあります。彼女のクラスのほとんどの受講生が日本からの留学生だったそうです。彼女はそのクラスメイト達から日本にいた時以上に強い差別を受けて、英語の学習どころか心に深い失望を受けてハワイから帰りました。これは大変残念な例です。

勿論自分の子どもに何を体験させ、何を学ばせたいのか、その選択は親御さんがするのですから、どのようなハワイ滞在にするのかはそれぞれの親御さんの考えがおありでしょう。

この夏日本からハワイに来られるお子様達が、ハワイ滞在が短くても長くても、地球色の海に感動し、貿易風と心から戯れて、ハワイで接する異なる文化や人に暖かい理解をしめし、親御さんともども素敵な時間を過ごされるように、、、、、それが私のささやかな願いです。

ノブコ タカハシ ムーア
************************************
シーライフ・パーク
私の住んでいる東ホノルルを抜けて裏オアフに入る岬は、マカプウ岬と呼ばれ風光明媚な観光名所でもあります。この岬近くに、海洋生物と楽しく接することを目的に建設されたシーライフパークがあります。水族館というよりもテーマパークです。私が以前訪れたときには、サメのお腹から発見された物が陳列されており、
「へー!サメってこんなものまで飲み込んじゃうの!」と子ども達と奇声を上げたものです。イルカのショーも楽しかったです。
日本語の案内がありました。詳細はこちらでどうぞ。
http://www.atlantisadventures.com/jp/hawaii/sea/sealife.htm
************************************

多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第14回 子育てと家庭と仕事のバランス

皆様いよいよ暑い夏がやって参りましたが、お元気でいらっしゃいますか? もう梅雨は明けたかのような暑い毎日ですね。

幼稚園の夏休みももう目の前です。 毎度のことながら、子ども達は楽しみに、親御様は戦々恐々のことでございましょう。

さて、私鎌田はここ半年近く関っていた高齢者施設へ美容師さんを訪問させる会社のサポート業務にピリオドを打ち、改めて保育・教育に取り組むことに致しました。

昨日はその関係でお疲れ様会のようなものがあり、そこで何とも“子育ては、やはり母親次第”という会話で盛りあがりました。 そこの美容師さん達は全員女性、しかも今まさに子育て真っ最中というメンバーが多く、一方ですでにお孫さんまでいらっしゃるベテランさんもいて、そんな話が出てきたということなのです。

そんな様々な状況にある彼女達が同様に悩むことは、やはり“子育てと家庭と仕事のバランスの取り方の難しさ”にあるようで、現に40名ほどいるスタッフの約1割は母子家庭、さらに約1割は別居または離婚を考えていらっしゃる現状、いつになっても本当に難しい問題です。

さりとて、専業主婦でさえあれば何の問題もないかというと、そういうわけでもなさそうで、ちゃんと良い奥様、ちゃんと賢いお母様だった方が突然離婚をする羽目になることもあるようで・・・。

人間はいろいろと困難な状況に陥った時、つい自分を責めたり、逆に相手を責めすぎたりしがちですが、どんな結果であれ大人は自分で考えて自分で責任を取りさえすれば済むことですが、子どもはどうすることも出来ないのです。 自分を責めても、相手を責めたとしても子どもはその両方の子どもであることに変わりはなく、子どもにとってはかけがえのない自分の父であり、自分の母なのです。

そこで昨日、ベテラン美容師の一人が言いました。 「私はね、子どもには小さい時から“お父さんはすごいのよ”、“お父さんは偉いのよ”ってずっと言ってきたのよ、実際にはたいしたことはなくともね。でもだからかもしれないけれど、子ども達は皆今でもお父さんを大事にしているし、皆んな仲良いわよ・・・」 どうという事もない、何気ない会話でしたが、何かふわっと心が温かくなりました。

人間関係難しいと思えば難しい事だらけですが、もしかすると自分の気持の持ち方次第でそう難しくないのかもしれません。

そのベテラン美容師さんはとても素敵で、とても表情豊かな方です。 そういえば、前回ご紹介したお婆ちゃまもとても良いお顔をなさっておられました。

結局昨夜の会話の中で、子育て・家庭・仕事をうまくこなして行くためには、できるだけ夫婦は仲良く、よしんば夫婦の仲が上手く行かなくなった場合でも、母親が明るく元気に子どもに接し目を向けてさえいれば、世間を騒がせているような大きな事件は起こらないし、子どももちゃんと育っていくのではないかという着地点に至ったということです。

幼稚園児をお持ちの皆様も、どうぞご家族仲良く、楽しい夏休みをお過ごしください・・・・・。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

—————————————————————————

元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第9回 伸びゆく子どもに私たちができること ?人格の基礎を作る時期に、あなたの思慮深い愛情を?

 お子さんの誕生日を迎えると、その子が生まれたときの事を思い出されるお母さんも多いことでしょう。まだ新生児の頃、お子さんが授乳するお母さんの顔をじっと見ていたのを覚えていますか? 腕の中の子どもの顔を見るのは、幸せなひとときだったのではないでしょうか。

 自分のことを何一つできないこの時期の子どもを母親が世話をすることは、母子の間に大事な関係を育みます。互いに触れ合ったり匂いをかいだり、声を聞いたり、見つめあったりすることが、子どもの安定した情緒を育み、受け入れられているという実感が、生きていく上での信頼感の基となっていくのです。

 生まれ出てきたこの世界が、母親との交流によって信頼できるところだと感じることのできた子どもは、興味をもってさまざまな行動を起こし始めます。次のステージへと進むのです。体を動かし、手を使い、いろいろなことを試すことで、この世界を知ろうとします。

 大人は見ただけで理解するということができますが、この時期の子どもは体や手を働かせる中で、この世界がどんなものなのかを学んでいきます。

 この時期、周りの大人も、子どもが一方的に世話をされる存在から次の段階へ進んだのだということを理解して接することが求められます。今、どんな援助が必要なのかを知ることが、子どもの調和の取れた成長に大きな影響を及ぼします。

 2歳を過ぎると一般的に反抗期と呼ばれる時期が訪れます。これは人格を形成する過程で、自立への大きな一歩となる大事な時期です。

 自分が思うように動けるようになり、まわりの世界を理解できるようになってきた今、彼らは一人前の人間として認められることを望みます。その結果、親の決定したことをそのまま受け入れるのではなく、自分の意見も認めてほしいと主張するのです。

 この時期には、自分が一人の人間として尊重されていると実感する機会を持つことが大切です。とはいえ、これは子どもの意見にすべて従うということではありません。一方的に命令するのではなく、選択肢を与えて決断を求めるのもいいでしょう。自分が認められているという実感と経験を通して、子どもは正しい意味での自我をもち、他を尊重することや協力するということを学んでいきます。

 子どもたちの持つ潜在能力に最大限に応える援助を私たちがしていくためには、子どもについての的確な知識を携えて、しかしがんじがらめになることなく、目の前の子どもに愛情を注いでいきたいものです。

—————————————————————————
新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である?フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。

第11回 「たいくつを楽しむゆとり」

ALOHA! 日本では紫陽花の美しい季節になりますね。雨に濡れた紫陽花の花とその葉に乗っているカエルは、日本のカレンダーの6月の代表的な絵ですね。懐かしく思い出します。この紫陽花、実は日本からシーボルトがオランダに持ち帰り品質改良されて日本に逆輸入されたとも言われております。ヨーロッパにも、ハワイにも似た花がありますが、雨と紫陽花が結びつくのはやはり日本の気候風土が生み出したイメージのようです。

さてこちらハワイでは、ゴールデンシャワーと呼ばれるマメ科の木に見事な黄色い花房が咲き誇る時期です。このゴールデンシャワー、和名はナンバンサイチカと呼ばれていますが、ハワイでは黄色だけでなくオレンジや白の花もあります。風に吹かれてこの花が散る光景は、まるで日本の桜吹雪。こちらの表現では、まさにシャワーを浴びるような気分にさせられるのでこのような名前がついたようです。

昨日大変ショッキングなニュースが日本から届きました。小学生6年生女児による友人殺害が学校内で起こったニュースです。日本の教育関係者は、度重なる児童による凶悪事件の度に色々と対策し関係者の指導をしているようですが、やはり社会の本質的問題が解決されないまま上辺だけの対策や指導には限度があります。教育には、家庭教育、学校教育、社会教育があるのですが、日本において家庭教育がおろそかになってきたのはやはりバブル経済の発展期からのようです。

父親を仕事にとられた家庭で、母親だけの家庭教育がゆがんでしまうのは当然です。時間の問題ではなく精神的に父親の存在が子どもに伝えられていればまだ良いのですが、逆に母親さえもパートの時間にとられ、子どもには塾やら習い事のフルスケジュールを与えて子どもを管理するといった、家庭教育不在の時代があったのです。そしてその時代は、今でも日本社会(正確には日本のみならず、急速な経済発展社会では常に弱者―子どもや老人―が犠牲になります。)にもまだその影が深く残っていると思います。

ハワイに来てある会社でマネージャーの仕事に私が付いてから10年になりますが、英語でマネージ(MANAGE)をする人と呼ばれて初めて私の意識の中にマネージの観念が植え付けられました。

MANAGEとは管理することなのですが、日本語だと管理者となってなんだかふんぞり返っているようなイメージですが、英語だと自分がコントロールできる状態に物事を持ってゆくとなります。ですから職場ですと、人材の確保と教育、経費の収支、経営がスムーズにゆくように設備の点検から日々の業務運営を支障なく遂行するための必要な事項の管理を管理者としての責任の基に管理しなくてはなりません。つまりなんでも屋です。しかも決められた時間内に行なうのですから時間の管理、又自己の健康管理も必要です。こうなると、管理されない自分の時間と空間の必要性が生まれ、その時間と空間を確保する知恵も付いてきます。

子どもの頃は、この管理の概念が全く無く、何もすることが無い時間を「つまらない」とか「たいくつだ」とか言って遊び相手を捜したり、からかってくれる相手を家族(私は大家族の家庭に育ちました)の中に求めたり、それでも誰も見つからないと自然の中に自分を置いて時を過ごしたものです。流れる雲の形をボケーとしながら眺めたり、庭の蟻の動きを飽きもせずに見つめたり、流れる川のきらめきに心を奪われたり、日溜りでごろっとしながらうとうとしたり、、、、こういう時間や空間は子どもの時の特権だっかのかしら、それともその時代の生活の一部だったのかしら、、、、、、、。

いや、今でもちゃんとあるのです。管理されない時間や空間の中に自分を置くその心地良さは「ゆとり」と呼ばれるようになりました。

変化の激しい現代社会で多くの人を管理するのに、つい合理性のみを優先した管理方法が選ばれがちです。でも人間の心や気持ちはそんな単純に合理的に割り切れるようなものではないのですよね。それゆえ、家庭教育が変化の激しい時代こそより重要になってくるのです。

家庭での教育は、人間管理の教育ではなくむしろ脱管理教育であるべきです。社会の集団生活の中で管理され拘束されている人としての心や気持ちを開放できる場が、家庭であって欲しいのです。つまり、父親母親という全く異なる性の狭間でも、又親と子どもの年代の狭間でも、お互いに認め合い必要となる自分の存在を確認できるところが家庭なのです。

ですから、脱管理教育は「甘やかすこと」とは、まったく異なりますし、又「躾」は管理とは異なり良き生活習慣を子どもにつけさせるために親が家庭で
教える必要があります。厳しく躾けていても、親の愛情が伝わっていれば、子どもは不安なく成長します。家庭における自分の必要性はあるがままの自分を受け入れてくれるということでから、家族間でお互いの自我がぶつかり合うのは当然です。それにも関わらず、お互いが必要になり認め合えるところに家族の絆があり愛情が育まれてゆくはずです。

お父さん、お母さん、職場や社会では管理されたり管理したりする人であっても、家庭では管理者ではなく父親母親となって外で管理されて疲れている子ども達に「ゆとり」をあげてください。家族揃った時間がとれたら、なにも人ごみの中に出掛けなくても家族揃って退屈な時間を楽しんではいかがですか?お金を使わなくても良いし、時間に振り回されなくても良いし、、これ以上大人にとってリラックス出来ることはありません。

子ども達ですか?始めは文句をいうかもしれませんが、親たちが自分に向き合ってくれると解れば結構喜んで従うはずですよ。家族揃って庭で食事をするとか、キャンプごっこをするとか、いつもとは異なる生活のリズムを家庭の中に起してみてください。そういうときのお父さん、お母さんの話(失敗談とか、子ども時の思い出とか、自分の親の思い出とか)を幼稚園児であっても子どもは真剣に聞いているものです。そして、生涯覚えています。
       
ノブコ タカハシ ムーア
************************************
アメリカにある唯一の宮殿
大統領制度のあるアメリカに本物の宮殿があるのをご存知ですか?アメリカ国民の中にはハワイ州がアメリカ合衆国の一部であることを知らない人もいるくらいですから、日本の皆様が「アメリカに宮殿?」と思われても不思議はありません。
アメリカにある唯一の宮殿は、ここハワイ州のホノルルのダウンタウンにあります。カメハメハ大王がハワイ諸島を統一し王朝を成立させましたが、その後今から約100年前にカラカウア王が建てたイオラニ宮殿がそれです。煌びやかな宮殿ではありませんが、質素な中にもハワイらしい趣のある宮殿です。ハワイに来られたら是非イオラニ宮殿の見学ツアーにも参加して、ありし日のハワイ王朝を偲んでみて下さい。
************************************

多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第13回 夫婦の絆

暑くなって参りましたね。
そろそろ梅雨入りで、ちょっぴりうっとうしい気分でもありますが・・・・。

さて、私鎌田が高齢者施設訪問から得られることはたくさんありますよ、と前回までも申し上げて参りましたが、今月号では“夫婦の絆”について皆様とご一緒に考えてみたいと思います。

つい先だって、イラクで戦場カメラマンであり、フリージャーナリストでもある男性が反米勢力の人々によって殺害されました。

殺害されたその方は、還暦を迎えてもなお戦場の生の姿を自身の目で見、自身の口から伝えていきたいという信念から、いつでも死を覚悟で戦場に乗り込んで行かれたといいます。

そんな方が、現実にそんな事態に巻き込まれ尊いその命を断ったとき、奥様はおっしゃいました。

「本望だったと思います・・・・、でも、もう一緒に話したり暮らしたりできないのかと思うと淋しくなります・・・」と・・・・。

奥様は日頃よりご主人と同様のお仕事をなさってこられ、ご主人を尊敬しご主人の最高の理解者でもあったようです。

そんな姿をテレビで見、改めて素晴らしい夫婦だなと思ったり、感心したりしたところですが、一方でここ最近お伺いした高齢者施設でこんな光景を見つけました。

「あなたとは、以前どんなお話しをしたかしら?」
相手に合わせていろいろと会話を楽しまれるそのお方は75歳の女性。

「ああ、クソ亭主の話だったわね・・・・」
なんとどぎついセリフ・・・・、と思ったそのとたん、次に発せられた言葉は次のようなものでした。

「でもね、ある方に言われたの。あなた、ご主人が生きていらっしゃるからそんな憎まれ口が聞けるのよ・・・って。確かにそうね、良く考えてみたら自分が具合悪くなった時、何が食べたい?なんて言ってくれるの亭主しかいないものね。そう考えたら若い時いっぱい苦労させられたけど、今頃になって“有り難いな”なんて思ったりして・・・・」

うーん、重みのあるお言葉・・・・。
何気ないそんな会話の中にも、永年連れ添ってきて、ケンカや揉め事ばかりのご夫婦でも、人生の終盤を迎えた時、「ああ、この人は自分にとって最愛の人だったんだ」と思える人生も素敵ですよね。

幼稚園児をお持ちのお母様方にとっては、まさに今がお子様の将来のこと、旦那様の将来のこと、ご自身の将来のことでいっぱいいっぱいの毎日のことと思われますが、いっとき人生の先輩達のそんな生き方・考え方を参考にして、ご夫婦の絆についてじっくりと話し合ってみるのも良いのではないでしょうか?

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子

—————————————————————————

元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第12回 社会に関わる

皆様、こんにちは!!

早や5月を迎え既にゴールデンウィークも過ぎてしまいましたが、皆様はいかがお過ごしになられましたか?

今年のゴールデンウィークは、海外渡航者が昨年の7割増であったあったということでしたので、皆様の中にも海外で楽しいひとときを過ごされた方も多くいらっしゃったことでしょう・・・・。

しかしながら、せっかく花々のきれいな、そして凌ぎやすい良い季節になってきたというのに、世情は混乱をきたし、相変わらず少子高齢化不安が拭いきれない日本の社会です。

だからといって諦めたり、ただ憂いてばかりもいられません。
皆様も、幼稚園児というこれから社会の一員となる人材を育てていらっしゃるお立場から、是非、これからのこと・社会のあり方を真剣に考えていって頂きたいと思います。

それってどうすればできるの?とお考えの皆様のために、いくつかの情報(方法)を提供致しましょう・・・。
まずは、身近な所から・・・・、日々の生活の中でも、できることはたくさんありますよ。

たとえば、皆様がお住まいの地域に『子育て支援センター』(地域によっては多少名称が違う場合もあります)という場所があることをご存知ですか?
毎月、さまざまなテーマで子育てに関する勉強会を開催していたり、子育てに関する悩みなどの相談を受け付けても下さいます。
もちろん、気軽にお子様連れで遊びに行くこともできます。

ご主人の転勤などで知らない町へ行った場合、どうやってお友達を作ろうか、という時にも大いに役立つようですよ。
その場所がどこにあるかを知る方法は、お住まいの管轄のお役所で問い合わせることです。

それから、ご自分のお住まいの地域やその周辺には、必ず図書館や美術館、博物館や生活観(ガス館、電気館、食品館など)など、様々な情報提供館が存在しているはずです。

そして、先月号でお知らせ申し上げたとおり、私鎌田が今毎日のように訪問している老人ホームやディサービスセンターへのボランティアなども、お子様とご一緒にご家族で週に一度でも月に一度でもしてみてはいかがでしょうか・・・・。

最近伺ったディ?サービスセンターでもこんなことがありました。
矍鑠とした男性のご利用者に「おいつくでいらっしゃいますか?」と尋ねるスタッフ。
「98歳ですよ」と答えるそのご利用者。
「えっ、信じられません、お若いですね」・・・・・、そんな会話が続く中で、「昔はね・・・・・」と、今の時代の生活にもとても役に立つお話しをたくさんして下さいました。

国にとって、子どもは、これから育っていく素晴らしい人材です。
高齢者は、長い人生を生きぬいてこられた知識と知恵を持った貴重な財産なのです。

人間は、他の動物よりもいろいろな意味で能力が高い、だからこそある意味やっかいだとも言えるわけで、一人一人がもう少し謙虚に、シンプルに生きていこうとさえ思えば、戦争や虐待などは起きないのではないかと思うのですが、どうなのでしょうね・・・・。

一人一人の人間が、様々な生き物(動物や植物)の生命を頂いて、それぞれの人間として与えられた寿命を全うしてということがどういうことなのか、を改めて考えてみることも必要なのではないかと思うこのごろです。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子
—————————————————————————

元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。