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第10回 「ボディーラングエッジ」

ALOHA! 日本ではもう新緑の季節になりますね。ハワイでもやっと美しく晴れ渡るハワイ晴れの季節になりました。空気の透明度が高いとなにもかも鮮明に見えて気分まで晴れやかになりますね。つまりハイビジョンの世界になるようです。この空気の透明度(汚染されていない度合い)と人間の気分にはやはり深い因果関係がありそうです。
以前富士山の空気を缶詰めにして富士山の五合目で売っていましたが、いまでもあるのかしら? まあすぐ出来ることとしては、深呼吸をして体の隅々の細胞にまで酸素を充分におくって上げることにしましょう。

何故か最近、日本の新聞の衛星版に頻繁に目に付く広告があります。
この広告のことは以前他の機会にも私は疑問を投げかけたことがあります。
正確な文章は覚えていませんが「抱きしめるという会話をしていますか」といったような内容で日本人の母親が女の子を抱いている写真が掲載されていましたが、、、、、、やはり、私にはぴんとこないメッセージです。

確かに欧米の習慣として抱きしめるコミュニケーションはありますが、今では日本の親子でも抱擁が習慣となりつつあるのでしょうか?あなたは幼稚園児になったお子さんを抱きしめたことがありますか? それはどんな時に、どんな気持ちから生じた抱擁だったのでしょうか?
公共広告機構が広告主である日本のこの広告の趣旨は、親子の愛情のあり方の一つを提示しているのだと思いますが、自分の親からそのような愛情表現を受けたことも無い私にとっては、やはりぴんときません。みなさんの世代は受け取り方が違いますか? 

実は私自身は、日本にいた時そんなに子どもを抱きしめたことはありません。
乳幼児の時は勿論抱っこしましたが、幼稚園児になったら私の布団の中に入ってきた娘達と自転車ごっこ(布団の上で寝転がってする私の体操)をしたりしてじゃれ合ったりはしましたが、特に抱擁の記憶はありません。
私が家を留守にする時、家に残る娘達に抱擁しないし帰宅しても娘達を抱擁しない私は、愛情のない母親とアメリカ人の主人には思われたこともありました。でも、私の習慣ではないので私はあくまでも自分の自然流を通しました。その後娘達も日本の外に出て見聞を広め、またアメリカ本土に移って生活習慣となっている抱擁に慣らされてきたのと親元を離れている距離もあるのでしょう、ハワイに戻ると抱擁の習慣を私にも頻繁に求めるようになりました。私も喜んで彼女たちを抱きしめています。
抱擁の挨拶習慣はヨーロッパにいた時私は習得していましたが、それが親子の愛情確認として私に会得出来るまではやはり年月と環境が必要でした。

ところが、ハワイ育ちで英語が第一言語の息子とは、又異なった愛情表現を描いています。息子は姉達とは抱擁しても、私には抱擁を求めてはきません。
私の方から抱擁を息子に求めると、「しょうがないから抱き返すね」となります。それでも以前はもう少し素直だったのですが、チィーンエイジになってますますその傾向が強くなりました。だから私の彼への愛情表現は、今はお料理と彼の夢中になること(車とか、映画とか、女の子のこととか)を聞いて上げることです。それでも、会話の途中で肩をたたいたり、頬を撫でたり、じゃれ合ったりしながら息子の体に触れることはあります。
抱擁以外のボディーラングエッジも色々とありますし、やはりお互いの温もりを伝えることは大切だと思います。

ですから、やはり広告のメッセージをそのまま受け取らないで、自分流に消化して表現しないと大変な混乱をまねきます。「抱くこと」が自分の辞書に記載されていない人は、他の手段で自分にあった愛情という温もりを伝えれば良いのです。子どもと歩くとき手を繋ぐとか、自分の体の痛いところを子どもに触らさせるとか、子どもと一緒になってじゃれ合うとか。

ボディーラングエッジを「体の表現で伝える意思」と解釈すると、日本の生活習慣にはこれがあまり無いように思えます。こちらハワイでは、手のひらを握って親指と小指を立てるシャカサインと言うのが一般化されていますが、これは「こんにちは」とか「ありがとう」とか「いいぞ!」等、受け取り手に対して肯定的な意思を表現するときのサインです。全く反対の否定的で挑戦的な表現を現す指のサインもありますが、異文化圏の人が興味本位でこれらネガチィブなサインを真似ることは絶対禁物です。
又、ポリネシア原住民の子ども達は頭を撫でられて誉められることを嫌うと伺ったことがあります。この例は、オアフ島ではなく昔ながらの価値観がまだ生かされている島で原住民が多いコミュニチィーでの例ですが、「頭部はオハナ(祖先)との交信をする大事なアンテナがあるので、頭を撫でられることでその交信を妨害される」との考えがあるのだそうです。分からないことや不明瞭なことはやはり言葉を使って正しく理解する必要がありますね。

ノブコ タカハシ ムーア
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ハワイのレイデー
5月1日のメイデーはこちらハワイでは、レイデーと呼ばれてレイを首にかける日です。レイをかける習慣はポリネシア人達の習慣から引き継いでいますが、むしろこの日は「ポリネシア原住民の歴史文化を尊ぶ日」と解釈した方が良いかもしれません。公立の小、中、高校では古代ハワイ王朝にちなんで、その年の王と王妃を生徒達の中から選びます。選ばれた王族達の前で各クラスごとにフラダンスを披露するのが、メイデーの大きな学校行事となっています。この日には、生徒達がレイ用の花を各自の庭や近所から集めたり、フラダンス用の衣装を揃えたりします。様々な人種の顔つきの子ども達がお揃いの格好で一緒にフラダンスを踊る光景は、とっても微笑ましいく親たちは夢中でカメラのシャッターを押しまくります。
こちらの公立小学校には幼稚園の年長(5歳児)組からあるので、幼稚園児のフラダンスもとっても可愛いです。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第7回 無意識にやってあげていませんか??意識して動く? 

 今まで、子どもの成長過程に見られる「敏感期」、それに見合った「環境」を準備することの重要性、そしてモンテッソーリ教育の目標である「自立」についてお話をしてきました。さて、これらの知識を毎日の子どもとの生活にどう生かしていけばいいのでしょうか。

 我が子が生まれてからずっとおっぱいやミルクをやり、オムツを取り替えて 世話をしてきたお母さんは、子育てにストレスを感じる時があっても、一方こんなに私を必要とする存在がいるのだということに、喜びを感じた時もたくさんあったことと思います。

 そんな中で、子どもが少しずつ成長しているのはわかっていても、まだ小さいから、これは私がやってあげなければできないことだ、と無意識に世話を焼いていることはありませんか。子どもは日々変化しています。今までできなかったことが、ちょっとしたきっかけである日突然できるようになることは珍しくありません。

「自分で、自分で」と主張するお子さんの場合は、その気持ちをくんでタイミングよく対応することができれば、自分でできることを増やしていくことができます。ところが、そうでないお子さんは、いつのまにかやってあげることが親子ともに当たり前になってしまいます。学校に行き始める頃になって急に一人でやりましょうといわれても、子どもは戸惑ってしまうでしょう。

 子どもは自立へ向かって成長しているのだということを信じて、一人でできるようになるにはどうしたらいいかを意識してください。

 親が意識することによって、子どもへの接し方は当然変わってきます。子どもが興味を持っている行為をていねいにはっきり見せることで、子どもも意識してその行為をやってみるようになります。これが、子どもが一人でできる環境をつくる第一歩になるのです。

 また、大人のリズムや都合と食い違うためにいらいらしたり、つい子どもを叱ってしまう。こんな時こそ子どもを知るチャンスだと思ってください。どうしてこの子はものを投げるのだろう、どうしてこの子はじっと座っていられないのだろう。感情的になる気持ちを好奇心に変えて見てみてください。手を使って投げることに興味があるんじゃないか、今この子は歩きたいんじゃないか、お母さんの発見がお子さんのよりよい成長を助ける環境をつくるヒントになっていくのです。

 医師だったモンテッソーリが、子どもの可能性を発見していったのは、科学者として客観的に見て分析するという術が身についていたからかもしれません。お母さんも、毎日の生活の中で意識して見る、意識して動くことを取り入れてみてください。

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である?フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA 

第11回 お子様に身を守らせる躾

皆様、お元気でいらっしゃいますか?

ひと月が過ぎることの何と早いことか・・・・・。しかしながら、毎年ちゃんと桜の花は美しく咲いてくれますね。嬉しいことです。

皆様におかれましては、お子様のご卒園・ご入園と、いよいよ4月を迎えてお忙しくお過ごしのことと思われます。

ところで、最近の事故などを見ていますと、こういう忙しい時期にこそ一層気を引き締めて、お子様にはきちんと“躾”をなさっておかれるよう、気をつけて頂きたいと思うところです。

3月に起こった回転ドアの悲しい事故も、お子様が親の手を離し一人で回転ドアに入ろうとして起こったことです。

確かに管理をする側は、常に万が一を想定した万全の体制をとるべきことは当然として、我々自身も常に危険から自ら身を守る意識を持つべきではないかと思うのです。

子どもは成長過程だからこそ、いつでも危険な冒険家です。子どもは成長過程だからこそ、いつでも不安定な心身状態です。

子どもはだからこそ、大人から守られなければならないのです。

これを機に、ご家庭で“お子様に身を守らせる躾”について再確認をしてみてはいかがでしょうか・・・・。

さて、私鎌田もこの春から皆様にご挨拶を申し上げていた通り、新しい人生の出発をしております。

毎日が新しく、毎日が発見の連続です。

そんな中から皆様に、さまざまな情報提供をして参りたいと思います。

今私は、東京近郊の数多くの老人ホームやデイ・サービスを回らせて頂いており、高齢化社会の現実をまざまざと見せつけられております。

幼稚園児をお持ちの皆様方には無関係のことのように思われるかもしれませんが、実は大いに関係があり、是非皆様にも知って頂きたいと思っているのです。

老人ホームの建設は今、猛烈な勢いで増えており、高齢者向けのサービスビジネスは超白熱状態です。

一概には申せませんが、社会福祉法人立の施設と民間企業が運営している施設とではサービスに対する意識がまるで違い、私の見る限りでは施設利用者に対して「お客様」という捉え方をするのが民間企業であるのに対し、社会福祉法人立の施設の場合はどうしても弱者救済の意識が強く、サービスは限りなく無料のものが良いものとされ、お金を支払って行うサービスは悪しきもの的な見方が横行しているように思えてなりません。

何せ、利用者(お客様)の立場に添ってお客様が真に必要とされるものを提供しようという意識がどこまであるのか、どこまで利用者の要望に添おうとしているのかが重要な点であるのに対し、現実は施設側の都合で物事が決まって行くと言うのが本音のように思えるのです。

それって違いますよね・・・・。

さりとて、“お金を支払いさえすれば何でもあり”と言うものでももちろんありません。

特に、先の短い高齢者の方々にはでき得る限りの我侭を聞いて差し上げることは良いとして、これからの社会を生きていかねばならない皆様方のお子様を託す施設は、親御様である皆様方がご自身のお子様に本当に合う施設であるのか(園の方針など)、信頼して任せられる所であるのかどうかを良く見極めて、選択をするべきであろうと思われるのです。

これからは、高齢者施設へもお子様のお預かり施設へも一層民間企業の参入が増えていくことでしょう。そんな中、何が大切なポイントなのかを良く考え、見極める目を養って行って頂きたいと思います。

時間がある時、お近くの高齢者施設へお子様とご一緒にお手伝いに行かれてみてはいかがでしょうか・・・・、きっと新しい発見ができることと思いますよ。

オフィス 鎌田  代表 鎌田妙子
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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第9回 「英語より大切な会話」

Aloha! この4月は日本では年度始めですね。お子さんが入園された方、ご入園おめでとうごさいます。私が日本にいた時、娘二人を入園させてほっとしたことを思い出します。桜の舞い散る下で、私から離れてゆく娘達を頼もしく思ったり、心配に思ったり、、、、、揺れる親心はまるで桜の花びらのようでした。この春同じような経験をされたお母様、お父様、ご心配いりません。お子さん達は、しっかりと大地を踏んで成長しますから、お二人の愛情を春の日のように注いで上げてくださいね。(春の日差しには意味があるのです。夏の太陽のような直接的愛情では、子どもが焼けどしてしまいます。ご夫婦の間の愛情からもれる間接的愛情で子どもはちょうど良く育つそうです。正に春の日で良いのです。)実は私は満開の桜を10年ぶりに満喫して日本から戻ったばかりです。一緒に連れて行った14歳になった息子は、日本の御伽噺(おとぎばなし)の中でしか知らなかった桜を、充分に堪能しました。日本人にとっての桜は、春、門出、出発、不安、希望、と重なり合っているようですね。

日本に行く度に、英語会話上達にかける日本人の熱意に驚かされます。今回も同じです。短期間で絶対に英語が話せれるようになる教材とか、駅前留学の広告も実に素晴らしい口上書きが車内一杯に掲げられていたり、英語の早期教育が益々盛んに浸透している事実も見たり聞いたりいたしました。英語が国際語として通用していることは確かです。英語で自由に自己表現出来ることは、国際社会で一人の人間として活動する上で、無くてはならないスキル(能力)です。ですから、早くからそのスキルを子どもの身につけさせようとする親の気持ちも解ります。ましてや英語が小学校の教科になるとなれば、当然でしょう。

でも私には、手放しでこの傾向を奨励するのには、疑問が伴います。どこの国の人でも、どの国の言語でも、言葉に長けている人には「人間好き」な人が多いようです。まして外国の言葉に長けている人は、「人間好き」プラス「健康的な好奇心(ゴシップなどではない、知識としての好奇心)」を持ち合わせていないと外国語の上達は困難です。そのためには会話を掘り下げる語学力が必要となります。自動翻訳機のように、ある単語や文章を右から左に置き換えるような会話には、やはり深みが伴いません。意思疎通は出来ても、人間としての関わりを深める会話にはなりません。これでは、バスに乗れたりパンを買えたり出来るでしょうが、友達は出来ませんし交渉ごとも実を結びません。

深みのある会話(事実を伝えるだけでなく、何故そうなったか、どうしてそう考えるのか等個人の意見を盛り込ませるように仕向ける会話)を子どもに教えるためには、やはり親子ともに自由に意思が通じ易い言語を使用することが必要です。私は娘二人とはずーと日本語で会話をしていたので、今でも深みのある会話でも私とは日本語です。時々娘達の単語や表現が見つからないと、私の英語力を加えて確認したりします。しかし息子とは英語なので、私の英語力がもどかしくなると会話もギクシャクしてきます。(特にテ―ンエイジャーの今風英語には私はお手上げです。)主人はそれを心得ているので、息子の深みのある会話は、英語で主人が訓練しています。

話をしながら考える。その考えに応じる相手の反応を吟味し又言葉を返す。相手の反応を理解するために確認したり、疑問を投げかけたり、又は違いを指摘して相手の反応を又伺う。会話とはそのように進むものではないでしょうか。英語の単語を覚えること以上に、日本語で深みのある会話をするほうが会話力の育成に大いに役立つとは思いませんか?後に英語を学んだ時、その会話力があれば英会話力は抜群に、しかも容易に会得できるはずです。幼児でも深みのある会話が出来るか疑問ですか?単語は少なくても、彼らの感性は大人の私達以上に豊かですから、大人同士よりも深みのある会話が出来る可能性は大いにあります。今夜はお子さんと深みのある会話にチャレンジしてみて下さい。

ノブコ タカハシ ムーア
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ハワイの花
ハワイには一年中さまざまなトロピカルフラワーが色鮮やかに咲ておりますが、花の種類によって時季はあります。ハワイの州花は黄色のハイビスカスです。
このハイビスカスだけでも、様々な色(赤、ピンク、紫、黄色、白、霜降りや二色のぼかし等)が楽しめますし、大きさや花びらの種類(しわのよった柔らかい花びらや、はりのある花びら等)も様々です。どうやらハワイには花好きの人が多く、品種改良を色々と試みている結果のようです。道端に咲いている花を失敬して髪に飾る女性もいますが、男性もいます。ハワイでは男性にも花が似合います。きっと日焼けした肌と明るい太陽光線の演出のお陰でしょうね。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第6回 「自分でしたい」は自立の芽生えです ?年齢に見合った自立をさせましょう?

 「自立」という言葉を聞いて、何を思い浮かべられるでしょうか? 子どもが大きくなりやがて成人して、親の援助を必要としなくなったときの姿をイメージされる方もおられるでしょう。これも大きな一つの自立の形です。けれども、子どもの自立をめざすといった場合、そんな遠い将来のことばかりを指すのではありません。文字どおり自分で立って歩けるようになるころから、こどもの自立への道は始まります。成長していく子どもにとって、その年齢に見合った自立は存在するのです。

 立って歩けるようになる時期に前後して子どもは盛んに体や手を使って活動しようとします。食べさせようと差し出したスプーンを奪い取って、「じぶんでする」という意志を見せるという場面は、皆さんにも経験がありませんか。ひとりで歩くと言って絶対手をつなごうとしないとか、着替えるときのボタンの留めはずしは決して人に譲らないとか、つい大人が手を出してしまうとびっくりするほど泣いて初めからやり直さないと気が済まない、というようなことがあちこちの家で繰り広げられていることと思います。これは、自分の力で生きようとするエネルギーの表れであり、それほど「自立」に対する願望は強いものなのです。

 この時期の対応によって、大きく子どもは変わります。自分でしたい、けれどもうまくいかない、といったときに、大人がやってあげるということを繰り返していると、そのうち子どもは自分でやろうとせずに大人の援助を待つようになってしまいます。反対に、子どもの気持ちに添って、どうすればできるかやり方を丁寧に見せるということをこころがけると、子どもは一生懸命がんばってやり遂げようとします。そしてやり遂げたという経験を重ねるうちに、「ひとりでできた」という自信が、次のことに向かう意欲や小さい子への思いやりにまでつながっていくのです。

 靴をはく、洋服を脱ぐ、手を洗う、トイレの始末をする、食器を運ぶ、等々 基本的な技術を身につける、そのための適切な援助をすることが、子どもの身体的な自立にとどまらず、精神的な自立も促すということを心にとめて、お子さんとの生活を送ってみてください。子どもの新たな一面を見ることができるでしょう。

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である?フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。

第10回 食育について

皆様、改めましてこんにちは!!

今月号からは、“総合生活アドバイザー 鎌田“から子育てに関するメッセージを発信させて頂きたいと思います。

ここのところ、時々幼稚園児かな?と思われるお子様連れのお母様から、熱い視線を浴びる事があるように思われるのですが、気のせいでしょうか?もし、“何やら見たことのある顔だな”と思われましたら、遠慮なく是非お声を掛けてくださいね。

さて今月は、ここのところいろいろあった中で、人間の自然界に対する自分勝手な欲望の結末についてご一緒に考えてみたいと思います。

昨年は、国産の狂牛病騒動から始まり、年末には米国の狂牛病騒動に、同時に鳥までもインフルエンザとやらで大騒ぎ・・・・。ついに某牛丼やさんから牛肉が消える騒ぎにまで・・・・。

人間ってなんて身勝手な動物なのだろう、と思い知らされます。また、少し古い話になってしまいますが、幼稚園児をお持ちの親御様の親世代、つまり私達の世代が幼稚園児だった頃は、牛肉は高級なものとされ、牛肉の変わりに豚肉を食べ、鶏肉はカロリーが低い為にあまり口にすることは無く、幼い子供達にはむしろ“卵”が定番でした。しかもそうしょっちゅうは肉類や卵は食べられず、地元で取れる魚や野菜が中心でした。

もちろん地域性かと思われますが、私は北海道育ちなので、朝はイカの刺身と小ぶりの毛蟹がよく食卓に出ておりました。

えっ!それってすごい贅沢!!と思われたら大間違い、その頃北海道(私は函館生まれです)のそのあたりは毛蟹がよく取れ、小ぶりのものは市場に出せない為に早朝から行商のおばさんが一般家庭に売りにきていたというわけなのです。つまり、その食材が一番新鮮で、一番安く手に入ったということなのです。

恐らく、どの地域でもそのような食生活であったであろうと思われるのですが、日本の国が、いつのまにか日本の国らしくなくなり、季節の野菜や果物も、いつでもどこでも生産され、出荷され、あらゆる国から輸入されて、ある意味、季節(旬)の食材はなくなったと言っても過言ではないと思われるようになりました。

昨年、お受験のテーマで原稿を書かせて頂きましたが、それこそ、お塾の試験問題の中に「苺はいつ取れる果物ですか?」なんて問題があって、あるお子様が12月のクリスマスの時に大きな苺がデコレーションケーキに乗っかっていたのを思い出し、「12月」と書いて大きな×印をもらい「どうして?だってクリスマスのケーキにいっぱい苺が乗っていたのに」とつぶやいていたのを思い出します。

大人達は、自分たちの都合で自分たちの都合の良いように物事を解釈し、それを子供達に押し付けてきた結果、今のような騒ぎを引き起こす原因となっているのではないかと思うのです。人間関係が希薄になり、人の心が荒んできているように思えてならないと、以前も述べました。
その人の心を形成する要因の一つに『食育』が大きな影響を及ぼしているのではないか、とも申し上げて参りました。

私達人間が、いつでも好きな時に安くておいしいものを簡単に手に入れようとした結果、今回のような騒動を引き起こしたとも言えるのではないでしょうか・・・・。今こそ、かつての日本の食生活がそうであったように、自分たちの住んでいる町、自分たちの住んでいる国で、その時期その時期に採れる食材を大切に食していくあり方を見直してみるべきなのではないかと思われます。

幼稚園児を持つ親御様、お子様がさまざまなことに疑問を持ち、興味を示された時、親御様の知識や常識をただ押し付けるのではなく、いつもながらご一緒に考えて見てください。
「貴方はどう思うの?」「君ならどうする?」そして、最後に「じゃぁ、こうしていこう」と、その時点の家庭内での取り決めや答えをきちんと出していく事がとても重要なのです。

3月、もう桜の開花も目前です!
楽しい、毎日を送っていって下さいね。

オフィス 鎌田 代表  鎌田妙子
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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第8回 「親は子どもの鏡」

Aloha! 日本では暖かい冬のようで、もうそろそろ春の到来が感じられる頃でしょうか? 今の季節感は、テレビのニュースやデパート・スーパーマーケットの商品で知らされる事が多くちょっと残念です。私達の生活がそれだけ大自然と遠のいているからなのでしょう。大自然の息吹から、春の到来を直接自分で感じられたら素敵ですよね。こちらでも、同じです。バレンタインの商品がかたずいたと思ったら、お店の店頭にはイースターの商品がずらりと並びました。

古い表現かも知れませんが、「親は子どもの鏡」と言う表現を皆さんも一度は聞かれたことがあると思います。国籍、民族問わず、良く色々な親御さんから「自分が親から言われたように、自分の子どもにも言っている。」というコメントを伺います。それは、躾け方のときのこともありますし、小言を言う言い方のときもありますし、親の心情を表明するときのこともありますが、言ってしまた後に「はっと」気づくことがあります。「おや、これはどこかで聞いた言葉だな?」と思い考えると、自分の親が発信者であることを後から思い出したりするのです。それは自分にとって良い言葉である場合も、いやな思いをさせられた言葉である場合もあり、ケースバイケースですが、自分の親と同じような言葉を繰りかえりした自分に苦笑します。

自分にとっていやな思いをした言葉なら、反省しなくてはいけません。なぜなら、自分の子どもが今度は孫に同じような言葉を繰りかえす心配があるからです。なかなか簡単ではないですよね。私なども、後から娘二人がかりで言われて始めて気づき反省させられることもしばしばあります。“そうか自分もあの状況であのように言われたとき、とっても悔しい思いをしたのに、なぜあの時の親と同じことをするのだろう”と素直に反省できれば良いのですが、“いや、子どもの私には親のあの時の立場が理解できていなかったのだ。この子も親になればいつかは解るだろう”と自分で自分を納得させるケースもあります。正にこの辺の自己問答は、親業の自己訓練のひとつとも言えそうです。

物資の少ない時代に子だくさんの家に生まれ育った主人は、自分の父親の生き方に心から敬服しているようです。「お祖父さんはいつもこう言っていた。」とか、「お祖父さんはこういう苦難にもめげずに生きてきた」とかいう言葉を子ども達に良く言いますし、「父親のあの時の言葉が本当に理解できるようになった」とぽつり私にもらしたりします。

色々な親がおり、色々な性格の子どもがいるのですから、当然親子関係も色々ですよね。夫婦、親子でがたがたしながらも、そのうち我が家風が家庭の中に根づいてゆくようになったら上出来です。隣のおうちとも、友人のおうちとも違っても我が家風に親子ともに愛着がもてるようになったら最高ではないかしら。もちろん、鏡である親が何かに付け本心を子どもに見せ、子どもに映った姿を素直に受け取らないと(ある時は反省であり、ある時は励ましであり、ある時は共に成長することであるかもしれませんが)、我が家風は生まれません。

以上のような点を考慮に入れた上で、一つ実験をしてみて下さい。お子さん連れの時、異文化圏の人に遭遇したら(又は交流会とかの機会でもかまいませんが)あなたはどんな態度や行動をおとりになりますか?鏡であるあなたを見ているお子さんに、それがどのように映ったか後でお子さんと確認してみて下さい。

ノブコ タカハシ ムーア
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ハワイの季節
ハワイには日本のような四季がありません。雨季と乾季になります。11月から 4月頃が雨季で、5月から10月頃が乾季と分けれます。通常は雨季でも、日本のようなしとしと降る雨ではなく、シャワーと呼ばれるさーと降る雨でその後からりと晴れてしまうので虹が良く見えます。しかし、時々しつこいほど良く雨が降る雨季もあり、今年はこのしつこい雨の年のようです。ハワイ諸島は火山の噴火によって出来た島ですから、大雨が降ると大地に浸透するのではなく、山肌を滝のようになって雨が流れ落ちます。こういう年は虹が見えない代わりに山の緑が鮮やかになります。雨季と乾季のハワイでも微妙に季節の変化を感じ取れます。それは、日照時間の長短や、季節ごとにことなる草花や、シーズンごとに異なる催しだったりします。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第5回 子どもの自立を助ける環境をつくろう?環境作りのヒントは子どもとのやりとりの中にあります?

 秩序や感覚、運動、などのさまざまな敏感期を迎えている子どもたちにどんな環境を準備するとよいのでしょうか。モンテッソーリは、科学者としての鋭い観察力と深い洞察力をもって、子どもを観察し、子どもが自らを成長させるために必要なさまざまな教具を作り出しました。モンテッソーリの園にあるこれらの教具は、もちろん環境のひとつとして大切なものですが、教具を準備すれば子どもは自ら望ましい成長をとげるのか? いいえ、そうではありません。

 モンテッソーリが初めにしたのは、先入観をもたずに子どもを観察したことでした。そして幼児の秘密とでもいうべき生命の輝きを見つけたのです。これは彼女が出会った子どもたちだけではなく、今ここにいる子どもの中にも必ず見いだせるものです。ですから、お母様方自身が毎日の生活の中で子どもをよく観察するところから環境作りはスタートします。

 たとえば、子どもと一緒に出かけようとしています。時間がないのでそれまで遊んでいた子どもを中断させて靴をはかせようとします。すると子どもはいやがって靴をはこうとしません。気がせく母親は子どもをしかりつけ、まだ泣きやまない子どもを引っ張って出かけることになってしまいました。ここで、子どもをよく観察してみると、こんなことに気がつくかもしれません。

 ・子どもがしようとしていたことがまだ途中だったのではないか。
 ・子どもの生活のリズムは大人よりずっとゆっくりなのではないか。
 ・お母さんのように自分で靴をはきたかったのではないか。
 ・大好きなお母さんにしかられると、子どもは大人が考えるよりずっと傷つく
  のではないか。
 ・泣いて訴えたのに応えてもらえないことに、自分が否定されたような気持
  ちをもったのではないか。

 子どもの様子から何かに気づいたお母さんは、次に出かけるとき子どものペースにあわせられるように、早めに支度を始めるかもしれません。あるいは靴をはくところをゆっくり見せて、子どもができないところだけ手助けするかもしれません。これは子どもの自立を助ける環境をりっぱに準備したことになるのです。

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である?フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。

第9回 愛のカタチ2

皆様 こんにちは!!

大騒ぎで迎えた2000年から、早くも今年は4年目になります。さて、皆様にとって今年は良い年明けを迎えることが出来ましたでしょうか?私鎌田にとりましては、今年は何十年ぶりかの、新しい年明けとなりました。それは、長い間どっぷりと漬かってきた保育・教育一筋の世界から少し外へも目を向けて、今までとは違った角度からお人に関わる仕事を今年から始めようとしているからなのです。

大学の研究室で発達心理学を学び、東京都の認可保育園の園長として助成金任せの経営に携わり、それじゃ不公平だと自力でベビーシッター事業を立上げ、理想論ばかりじゃ人間社会は生きていけないと揶揄されながら頑張りぬいてはきたものの、考えてみればそれってやっぱり単なる自己満足なのかもしれません。

そんなこんなで、自らの生き方を自ら選び、20代から50代半ばまで、あれやこれやとやってきたとはいえ、保育・教育のことしか知らない、まだまだ視野の狭い人生を送ってきたというところから、今年は脱皮をしたいと思っているわけです。

この度ご縁を頂いて、幼稚園ママの皆様に私の心からのメッセージを送らせて頂いて参りましたが、株式会社サマンサの代表取締役社長として皆様に発信させて頂くのは、今月号で終了です。(近日中に新コラムスタート予定です)
今後は、新しい人生を送る中から、皆様方に少しでもお役にたてるような情報と、私の思いを、また新たな形でお伝えして参りたいと思っております。

そこで、昨年皆様にお伝えして参りましたメッセージのポイントをお浚いしてみたいと思います。子どもは一己の人格を持った人間です。しかしながら、子どもの生命が誕生したその時点から、子どもの健康な心と身体を作り、子どもが自立・自活できるようになるまでは、親がその責任を果たさなければならないのです。

親とは、その子どもの父であり、母です。

子どもが成長していく過程には、まずは親、そしてその周辺の大人(お爺様、お婆様等ご親族様やご近所の方々、先生など)お友達、沢山の人間関係があればあるほどその子どもにとっては良い環境と言えます。
昨今のような希薄な人間関係は、子どもの育ちに決して良い影響を与えません。せめて、夫婦は互いを尊重し合い、愛し合って子どもを一人前にきちんと育てていって頂きたいと思います。

愛するということは、盲目ではいけません。愛するということは、相手を受け入れること、その人の身になって何がその人にとって一番良いことなのかを真剣に考えることなのです。

誉めて下さい、誉めて励まして下さい、と私は申し上げて参りました。誉めることは、その存在を認めるということであり、自分を他人から、まして自分の親から認めてもらえるということが、どんなに意味のあることか、ということなのです。

ただ、それは子どもが授かった時からずっと続けて行くから意味があることであり効果があることで、子どもが小学校に入り思春期を迎える頃になって突然始めてもあまり意味がないということなのです。もちろん、迷うこともおありでしょう、間違ってしまうこともあるかもしれません。そうしたら気付いた時点で軌道修正をすれば良いのです。つまり、子育ては気長にやっていくものだということなのです。

ただ、いつもいつでもお子様に目を向け、きちんとやるべきことをやったら誉めて励まして、抱きしめて愛してあげてください。
親に愛されて育ったお子様は、必ずや他人を愛することが出来る人に育っていきます。年の初めに、ご家族全員で今年の抱負を語り合うのも良いですね。

株式会社サマンサ 代表取締役 鎌田妙子
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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。

<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。

第7回 「外国人と外人」

ALOHA! 節分も過ぎて日本ではいよいよ本格的な寒さの到来ですね。ハワイには四季はありませんが、乾季と雨季があり現在は雨季のシーズンです。雨季でもシャワーのような通り雨が多く直ぐに南国の太陽が顔を出すので傘も不用ですし、虹が多く見られるのもこのシーズンです。ところが今シーズンは例年になく荒れ模様で、傘があっても濡れるほどのどしゃ降りとなりますし、毎日日本の梅雨のような曇り空が多く虹も見えません。残念です。

さて、今回はタイトルのごとく日本人以外の人の呼び方についてお話しましょう。今日の日本では、日本国籍以外の方達を何と呼んでいらっしゃるのでしょうか?正確には国籍は何処であれ、外見が日本人と異なる方達のことです。10年ほど前は「外人」と呼ぶ呼び方でした。丁寧な呼び方をする方は「外人さん」とか、「外国人の方」とか呼びましたが、普段何気なく口から出るのは「外人」が多かったと記憶しております。しかもこの「外人」と言う呼び方は、時と場合によっては、ネガチィブな使い方をされておりました。例えば「あっ、外人が来た。」とか「外人のくせに!」とか、「変な外人」とか。あなたでしたら、街を歩いていて外見の異なる人とすれ違った時、傍にいるあなたのお子さんがどのような反応をするかご存知ですか? 又、あなたのお子さんがその人のことで何かあなたに質問してきたら、あなたでしたらその人のことを何と表現するのでしょうか?

私の子ども達は日本で生まれ、長女が10歳、次女が9歳、長男が3歳の頃まで日本におりました。長女と次女は日本の幼稚園に4歳、5歳、6歳(次女3歳、4歳、5歳)の間在籍していました。始めは園児達も名前で娘達を呼んでいましたが、5?6歳になると「外人」と呼ぶ園児が増えてきました。5?6歳は、ちょうど自分と周囲の違いに目覚める年頃であり、子ども達は素直にその疑問を周囲から聞こえてくる音や意味を真似る年頃でもあります。何気なく子どもは使う言葉でも、言われた子どもは子どもなりに疑問をもちます。その言葉のニュアンスから、子ども心にも疎外感を感じとるからです。多くの方の事例から、この「外人」と言う言い方は、5?6歳から始まって8?9歳になると減るようです。この年齢は呼ぶ側の子どもの年齢です。例外も勿論ありすし、使い方によってニュアンスが変わることも当然あります。

日本で子ども達の異文化理解のプログラムを主宰していた時、参加していた日本人の子ども同士の会話を私は耳にしたことがあります。 A子「何年日本に住んでいても、外人としか呼ばれないのだからいやになると、お父さんが言っていたわ。」 B君「外人という言葉は、なんだか地球の外からきた人みたいに聞こえるよね。せめて外国人と呼ぶべきだよね。」(A子さんのお父さんはニュージランド人でお母さんは日本人。彼女は当時11歳でした。B君の両親はともに日本人ですが、彼はニューヨークで小学校に2年通い帰国したばかりでやはり11歳でした。)「外人」を、地球外生物と感じたB君の感性に私は驚きましたが、在日外国人が常時携帯を強要されている「外国人登録証」には英語でエイリアンと書かれています。エイリアンとは正に地球の外から来た生物のことです。さすがにこの登録カードをもらったとたんに日本社会の疎外感を知らされる在日外国人も多いようです。アメリカ人の私のスタッフでこのカードを持っていた彼は、「日本のポリスからカードを見せろと言われたら、僕のアンテナも見せましょうか?と聞くのさ。」とジョークを言っていましたが、このジョークは日本の警察官には通じないかもしれませんね。蛇足ながら、現在私はアメリカで同類の(こちらでの通称はグリーンカードですが)を所有しています。それには、エイリアン レジストレーションカードと書かれています。つまり、日本の外国人登録証のエイリアンはそっくりそのままアメリカ永住権カードの真似であった、と私は察します。アメリカで「アンテナを見せましょうか?」と言ったら通じるか、今度試してみたいですね。

ご参考までに、こちらでは「外人」や「外国人」に相当する呼び方を、人を呼ぶときには使いません。個人の名前か、解らなければ「あの人」と言った表現、どうしてもある特定の人を描写するときに人種的な特徴として「何々系の人」「何人」と表現します。

ノブコ タカハシ ムーア
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ポリネシアンカルチャーセンター (ポリネシアの島々を体験出来るテーマパーク)オアフ島の北東に位置するこのテーマパークでは、お子様からお年寄りまでご家族揃って楽しめ、そして多彩なるポリネシア文化を実際に触れることが出来ます。 http://www.polynesia.co.jpモルモン教の大学が隣接した土地に設立したこの広大なパークは、大学生達のポリネシア文化研究発表の場でもあり、学生達にとってはアルバイト収入を得られる仕事場ともなっています。夜の90分にわたる各島のダンスショーは見ごたえがあります。ご家族でハワイに来られたら、是非訪れて見てください。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>