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第2回 おとうさんの出番

 子どもにとって、一番身近な存在は、多くの場合お母さんであり、仕事で忙しいお父さんとは、週末やっとゆっくり会えるといった家庭が、最近は少なくありません。
 でも、それだけに子どもたちはお父さんと過ごせる時を、とても楽しみにしています。お父さんにも参加してもらえるイベントを催すと、子どもたちは「今日はパパと来たの」と、うれしそうに報告してくれます。
 悲しいときや心細いときに出る言葉は「お母さーん」でも、お父さんはちょっと特別な存在のようです。

 お母さんとはまた違うダイナミックな遊びができたり、別の角度から子どもを見たりすることができる存在として、お父さんの役割は大きいものがあります。
 水遊びをする、キャンプに出かける、果物や野菜の収穫を体験する、虫を捕まえる、動物や魚を見たり触ったりする、里山や森を歩く、・・・お父さんと一緒だからこそできることがあります。
 お子さんの年齢に応じて、近くの公園でも、ベビーカーを使わずに歩いて行ってみる、ボール投げの相手をする、かけっこをする、夕焼けを見る、などなどいろんな体験をさせてあげてください。お父さん自身が発見することが、きっとあるはずです。

 幼児期、子どもは手や足、五感を使って身のまわりの世界を知り、体得していきます。いわば自分の体を通して学んでいくのです。心と体の基本が形成されるこの大事な時期に、親子で様々な体験を共有するのは、お子さんの成長にプラスになるばかりでなく、お父さんやお母さんにとっても、子育て中ならではの大切なひとときとなるでしょう。

 社会状況の厳しい中、一方では、子どもを取り巻く環境や教育について、関心の高いお父さん方も最近は多く、父親による、子育てについてのサイトがいくつも誕生していますし、園や学校などの面談にご両親でいらっしゃるご家庭も増えています。
 子育てが母親だけに課せられたものではなく、子どもたちを父親ももちろん私たち周りの大人みんなで見守り育んでいける、そんな社会が子どもにとっても大人にとっても幸せなのではないか、と思います。

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WASEDA Frontier Kids Learning Centerアドバイザー野村謡子が園での保育経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。家庭で活かせる「モンテッソーリの子どもの見方」をお伝えしていきます。

野村謡子<のむらようこ>
青山学院大学卒。息子の「子どもの家」入園をきっかけに、モンテッソーリ教育に出会う。教師のディプロマを取得後、モンテッソーリ園に12年勤務。現在も WASEDA Frontier Kidsアドバイザーをはじめ、多岐にわたりモンテッソーリ教育に携わる。

第6回 保護者パート5

 前回、子どもの防犯年齢についてお話をしました。
0?8歳までの子どもを犯罪に巻き込ませたくなければ、目を離さないことであると申し上げました。これが、保護者による園児の防犯の基本ということです。

 例えば、ニュージーランドでは13歳までの子どもに対して、親が子どもから目を離すことを禁じる法律があるほどです。それほど厳しく保護者の保護責任を明示しています。またアメリカでも、幼児を一人で放置することを法律で禁じています。子どもは事件のみならず、事故にもあいやすくちょっと目を離した隙に事件や事故にあってしまったというケースが看過できないほど多発している過去の事例を教訓としているわけです。

 さらにアメリカでは、同じ家の中にいても、幼児が寝室で寝ていれば、その横にマイクをおいて別の場所、例えば台所で作業をしていても幼児の泣き声が聞こえるように受信器を携帯して、子どもが目ざめて泣きだしたら、飛んでいくというような努力をしている家庭も少なくありません。それほど子どもの保護責任をしっかり自覚しているのです。
 日本では、往々にして子どもを一人にして放置する保護者が少なくありません。しかも、保護者が目を離した隙に子どもが事件や事故の被害にあうケースが断続的に発生しています。
 これらの事件や事故をみると、日本の保護者の中に、子どもを守るという意識の低い人々やこどものから目を離さないことの重要さを知らない人々が少なからず存在することがわかります。
子どもを事件や事故から守ることができるのは保護者だけなのだということをしっかり肝にめいじておいてほしいものです。

 基本的には通園中の事件、事故に関する被害も保護者の責任です。(ただしスクールバスなどがある場合は、バスに乗せるまで)欧米でも、アメリカでも、ニュージーランドでも学校の校門までは親の責任です。
 ちょっと考えていただければわかりますが、一人の先生や保母さんあるいは園長先生が、通園中の園児や子どもたち一人一人を守ることができるでしょうか、できるわけがありません。守りたくとも守れないのです。それでは誰が守れるのか、そう保護者であるあなたしかいないのです。
 
 はっきり申し上げて、あなたの愛する子どもを、国が事件や事故から守ることなどできません。もちろん警察官だって守れません。地域の住人でも、法律でも守ることはできないのです。守りたくとも守れないのです。唯一、守ることが可能なのは保護者だけなのです。
 子どもは国の宝、礎だからみんなで、国で、社会で守ろう、などという無責任なスローガンが唱えられますが、このような曖昧で根拠のない文言など信じてはいけません。
 あなたの愛する子どもを守れるのは、あなたしかいないのです。
たとえ父親でも、そばにいなければ守れません。幼児はそばにいなければ守れないのです。

 よく幼稚園児までは、母親などが自転車の後ろに乗っけて園まで送迎する姿を目にします。ところが小学校に入ると突然そのような送迎をしなくなります。防犯年齢でも申し上げましたが、8歳までは、親や保護者あるいは大人が送迎しなければなりません。
なぜなら、8?9歳までは子どもは聞いたことと行動がともなわないからです。(もちろん個人差はありますが)
 
 生活のため、収入のためなどという理由で幼児(園児)を一人で放置する時間があるならば、その間に子どもが事件や事故に巻き込まれてもしようがないのです。それはあなたの責任だということを覚悟しておくことです。せめて9歳までは、一時たりとも子どものそばを離れないぐらいの姿勢で子どもを守ってほしいものです。
 そして9?13歳になると防犯の基礎指導年齢になります。子どもが自力で、犯罪や事故の被害を避ける方法を指導する責任が保護者に発生してきます(9?13歳の防犯指導についてはここでは省略します)。
 
 園児をもつ保護者の防犯についてはこの項で終わりたいと思います。次回からは、保育園や幼稚園内(関係者)のための「迫りくる犯罪から園児を守るための防犯」について書かせていただこうと思っています。なぜなら、園児に対する保護者の防犯と園・園関係者の防犯はまったく違うからです。

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・防犯コンサルタント
・日本防犯診断士協会 常務理事

<中山 天(たかし)>
1948年 熊本県生まれ
1977年 東京出版株式会社 常務取締役就任
1982年 東京出版株式会社 代表取締役就任
1999年 社業のかたわら続けてきた自力防犯・犯罪被害の回避力に 関する研究を実践するために会社を自主閉鎖(2006年5 ?6月には再建の予定)日本防犯診断士協会の設立準備を開始
2003年 特定非営利活動法人 日本防犯診断士協会設立 常務理事就任
総合防犯コンサルタントとして、防犯診断士 (防犯コンサルタント)の指導・育成、著述、各種防犯セミナーの講演 などを主な活動としている。
http://www.bouhanshindan.npo-jp.net

第18回 自由と規律

 私はある会で、世界的脳神経外科の権威の先生とご一緒させていただいています。

 先週の木曜日、偶然、会合で隣に座らせていただいたので、常々疑問に思っていたことについてご教示いただきました。

 まず、いつも皆様にお話ししている、「脳の発達曲線」のグラフについて尋ねました。

 私は、

「『0から6歳ごろまでに、脳の基礎的な配線は、その90%を終える。このため、幼児期はとても大切な時期だ』と考えています。いかがでしょうか?」

との問いに、先生のお答えは、「その通りですよ」。

 そこで、「ところが、先生、最近『3歳児神話』は崩れた、などと言う人がいますが、これはどうなのでしょう?」と尋ねました。

すると先生は、「4歳ごろまでが大切な時期なので、それはおかしいよ」と教えてくださいました。

 話は自由・個性・権利尊重教育の現状とその非現実性に及び、いろいろとご教授いただきました。

 たとえばご両親が、「幼児期は自由に育てることが大事」と子育てをなさっているとしましょう。そう主張される方に、私はこう尋ねています。

「それは結構なことですね…。では、子どもが赤信号を無視して、『自由』に渡ろうとしたら、どうされますか?」

 今まで、それでも自由に渡らせる、と答えられた方にであったことはありません。つまり、いつも申し上げている通り、「自由には規律」が、
「個性には基本」が、「権利には義務」が伴う、それを無意識にはご存知なのです。

 しつけや礼儀作法、社会的基本ルールは、自由を保護・保障するための最低限の規律です。

 それを「押し付け」と排除するのは、はなからおかしいことなのです。

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幼稚園ねっとにご登録いただいている幼稚園コラムです。 各幼稚園のコラムを順次ピックアップして紹介していきます。

かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第17回 「忘れる」と「記憶していない」は違う!

 幼稚園で毎日繰り返し行っているルーティーン(日課活動)、いろんな動植物、絵画、俳句、論語などなど本当に多種多彩にわたっています。先月書いた、BOI(Bit Of Intelligence)を増やすのがこの活動の目的です。

 さて、お母様はじめ保護者の方から、「子どもって、結構いろんなことを覚えますけど、すぐに忘れてしまいます」という声を聞くことがあります。確かに、すぐ忘れてしまうかも知れません。でも、「忘れる」ということと、「記憶していない」ということは根本的に違うものなのです。

 あるものを見たとき、視覚を通して脳に入り、最終的には「海馬」といわれるところに、すべて記憶として残されていきます。

 例えばこんな経験を、誰もがおもちではないでしょうか?初めての場所に一泊で家族旅行に行った。いいですねぇ。温泉に入ってゆっくりくつろぐ。楽しい時間はあっという間にたってしまう。

帰りの電車で、ぼんやり窓の外を眺めていると、「あ、この看板、昨日、行きに見たな。この景色、覚えてる。この駅、この踏み切り、そうそう行きに通過したな」。

 いかがですか?行きの電車の車窓から、「この風景、看板を覚えておかなければ…」というわけではないにもかかわらず、記憶には残っている。

 これが本当の意味での「記憶」なのです。付け加えれば、イメージ・感性を主に司る「右脳」の働きなのです。

 6歳までの幼児期は、特にこの能力が優れて活発に働く時期です。子どもたちは「忘れる」かも知れませんが、「記憶」にはしっかりとそのイメージや情報は残っているものなのです。

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かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第16回 「生きる力」、園長の考え方

 「生きる力を育む教育」。文部科学省が打ち出し、その延長のひとつが「ゆとり教育」でした。

 まず「ゆとり」を、と、量的・質的に教える内容を減らした。
その結果、生きる力を育むどころか、基礎学力の驚異的な低下をまねき、さらに命を「殺傷」する子どもをも育ててしまうことになった、みなさんもよくご存知のとおりです。

 先日、ある小学校の先生が、
「お役人の『机上の空論』ですわ。現場のことを何もしらない」と
嘆いておられましたがまったく同感です。

 さて、かすがようちえんでは、「生きる力」とは、つまるところ「問題解決能力」だと考えています。

 わかりやすく説明しましょう。

 たとえば、バトミントンをしていて、誤って屋根に羽根が乗ってしまった(1. 問題の発生)。
 羽根をとる方法を考える(2. 検討)。
 考え付いたさまざまな方法を、最善の方法で試みる(3. 実行)。
 うまくいかなければ修正する(4. 修正・変更・調整)。
 羽根を取ることができた(5. 解決・適応)。

 これが、すべての「問題解決」の手順です。そして、この中でもっとも大切なものが、「2.解決法の検討と?修正・変更・調整」だと考えます。

それを多種多彩に、数多く考え出す能力がもっとも大切だ、そう考えているのです。

 その要素の単位をBOI(Bit Of Intelligence)つまり「情報・知識の粒」と呼んでいます。毎日のルーティーンで、子どもたちが「ビーオーアイ!」といっているものもこのひとつです。

 これが多ければ多いほど、その組み合わせのパターンが累乗的に多くなり、問題解決にいたる「方法の選択肢が多くなる」=本当の意味で「賢い」=「生きる力が豊か」に育つ、そう私は考えています。

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かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第32回 「幼児虐待」

ALOHA! お子さまが幼稚園に入園さらた皆様、ご入園おめでとうございます。
日本では桜も終わり、春の花々が次々と春を謳歌して咲き乱れている頃だと思います。3月の終わりに、私も日本の桜の花を満喫してきました。
ホノルルに戻ると、日本で浴びた小春日和が恋しくなるほど、不順な天気が続いています。

公私共に忙しく、3月号のコラムは休ませていただきました。悪しからず。

今回は余り好ましくないタイトルがついていますが、幼児虐待がアメリカでも日本でも増加している事実をご理解いただくために、そして理解した上でいかに避けられるかを皆様と考えてみたいと思います。

私の小学校1?2年生の頃の記憶に鮮明に残っている、ある出来事があります。
当時、我が家の庭には鶏が放し飼いになっていました。その日、なにか面白くないことがあった私は、飼っていた犬に必要以上に八つ当たりをして、犬のポチは私の側から逃げ出しました。暫くしてポチの行方を捜すと、今度はポチが庭でのんびりと遊んでいた鶏たちを必要以上に追いかけ回していました。いつもは一緒に仲良くしているポチと鶏たちなのに、突然のポチの奇襲に鶏たちはパニックを起こしてけたたましく騒ぎ、ついに屋根の上にまで舞い上がりました。
空を飛ぶ鶏を目撃した私は、唖然となりました。その騒動は、私がつまらぬことに腹を立てて巻き起こした騒動だった訳です。怒りは連鎖反応を起こし、弱いものに向かって発せられる事実を知りました。

3人の子どもの母親である私は、子育ての時期に同じような体験をしたことが幾度もあります。子どもを必要以上に怒る時、自分の心の中に落ち着かない何か気になる要因が必ずあります。自分自身でさえ気ずかないのに、まして子どもが親の心の中まで知るはずはありません。子どもは混乱し、親からの愛情さえ疑います。大人だったら相手の気配を察して言葉のかけ方や気つかいもあるかもしれませんが、子どもはそんな配慮はせずあくまでも自分を守ろうとします。
その結果益々意固地になって反発をしたり、反抗的な態度をとります。
それによって、益々親の感情が逆流すると、今度は態度に現し子どもに手をあげたり物を投げたりする行為に発展するようです。これはまさに「幼児虐待」の始まりです。私は幸いにも、自分の怒りが幼児虐待まで発展したことはありませんが、冷静になると「さっきは何であんなに子どもに怒ったのかしら?」と反省させられることは幾度もありました。他のお母様がたからも同じような体験を良く伺い『眠っている我が子に、ごめんなさい』との愛言葉もありました。

子育てによって生まれるストレスもありますが、他のストレスが幼い子どもにぶつけられるケースもかなり多いようです。ですから、親業の大事な心得の一つに、自分のストレスを自分でコントロールする術を備えなければなりません。
子どもを育てることによって人格が丸くなる(穏やかになる)とは、正にこの結果なのです。

子どもは本来ストレスを吸収してくれる宝物です。子ども達の屈託のない笑い声や素直にキラキラ輝く瞳は、大人の世界の雑事に追われて緊張している親の心に癒しをもたらしてくれるはずです。それにも関わらず、何かの感情のずれから子どもに怒りを抱いた時は、すばやく自分の怒る感情を分析して見て下さい。

その怒りが子どものした行為によって起こったものであるならば、その理由をきちんと子どもに解るように伝えるべきです。このときこそ、物事の善悪の基準を教える良い機会です。その結果、子どもが学び誤ったならば、その謝罪もしっかりと言葉や行動に現して受け取るべきです。

もしも、自分の怒りが子どもではなく他の要因であるならば、子どもに素直に謝るべきです。大人のエゴからこれがなかなか出来ませんが、子ども達にも大人も感情のある人間であることを知ってもらえます。

変化の激しい現代社会は、大人たちにとってストレスの多い社会でもあります。
それ故に、自分のストレス管理は重大責任です。仕事を離れて自分の世界をもつこと。その方法論はこちらハワイでも良く論じられています。
皆様も自分にあった方法を色々とお持ちだと思います。

私ですか? 空を飛ぶ鶏の悲鳴を思い出しては、自分への教訓にしています。
そして、毎日その日に合った(時間、場所、気分などに応じた)ストレス開放法を利用しています。
 
ノブコ タカハシ ムーア

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スクール ハウス インターナショナルhttp://www.shihawaii.com より、
「異文化理解のすすめ第一巻」が発行されました。ホノルルの博文堂書店で販売しておりますが、インターネットでの販売は部数の都合で中止となりました。
つきましては、このコラム購読者の皆様に、日ごろよりのご愛読に感謝して5名様に「異文化理解のすすめ第一巻」を無料贈呈いたします。ご希望の方は;
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・・・SHI, Honolulu
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。
School House International のホームページはこちら>>

第3回 子供の教育費対策

こんにちは、あさいわかこです。
今回も子どもの教育費について考えてみたいと思います。

私も母親なので、教育についてよく考えます。お金はかかるけど、しっかりと教育したい。
教育=投資と思っているからです。学歴ではなく、身に付き役立つ学力+どんな時代でも自立できて生きてゆける精神力のある子になって欲しいと願っています。

だからこそ目先の教育ではなく、将来を見据えた教育が重要ですよね。ニート・パラサイトになってもらったら困りますもの・・・

正直言って、子どもの教育費はかかるものです。
住宅取得・老後資金と並んで、人生の3大資金といわれております。(大学だけでも学費+生活費は、約159万円?約215万円/年間です。学生生活調査より)
自分たちの老後に影響しないよう、子どもに負担させないように、今から計画的に考えたいものです。

前回書いた以外の対策も含めまとめてみました。
モチロン、給与天引き、一般財形、教育積立貯金、学資保険、こども保険、投信、その他投資などなどで貯めていくのがいいのですが・・。

1、貯蓄で足りないときは、奨学金・教育ローン。
◎奨学金
(例)日本学生支援機構(第2種=有利子)・・・主たる家計支持者が1人の4人世帯で給与所得1254万円以下、給与外所得719万円以下、出身校の平均水準以上の成績などが受給資格。大学で3万円?10万円/月貸与額など。
http://www.jasso.go.jp/saiyou/index.html#syurui
☆大学、地方自治体・交通遺児育英会・病気災害遺児育英制度・新聞奨学金・・・などなど

◎教育ローン
(例)国民生活金融公庫(教育一般貸付)・・・固定金利2.45%(2006年5月10日?)で200万円が融資限度額。保護者の世帯年間収入が給与所得者については990万円以内、事業所得者については770万円以内。
http://www.kokukin.go.jp/kyouiku/ippan/index.html
☆財形教育融資・銀行や郵便局教育ローン

子どもに学費の一部を負担させて、学ぶ意識とありがたさを認識させるのもいいのではないでしょうか?

2、住宅ローン
マイホームをすでに購入の方は、返済の方法を考えなければなりません。
紙に書いてある金利だけをチェックするのではなく、「固定金利」か「変動金利」か内容確認。それは何年間続くのかも。子どもが高校・大学生の頃は月にいくら支払っているのかも確認です。
今の時代はできるだけ固定が長いほうがいいですよね。超低金利時代といわれていますから(3.52%?3.77%)。
(ローン金利推移表)
http://www.jyukou.go.jp/news/news/kinri_suii.html
http://www.jyukou.go.jp/news/news/kinri_suii.html#b

3、妻が働く
専業主婦の場合、育児にある程度手がかからなくなったら、働くということも考えられます。それによって収入が増え、教育費や貯蓄にあてることができます。

4、生命保険の見直し
定期保険部分(死亡保険ともいいます=掛け捨て)は多すぎはしないか?入院保険額は適正か?
万が一、一家の大黒柱になにかあったときに、国や会社(福利厚生、健康保険制度、医療費の自己負担額の上限制度)から支給されるお金も考慮した上で、もう一度良く見直す。
住宅ローンを支払っている人は、万が一死亡した際に“団信”により残金の支払いが不必要になる場合もあります。
http://www.jyukou.go.jp/yusi/hoken/kouko.html
「万が一」と思いつつも無駄なお金はできるだけ払いたくないものです。保険も定期的に自分で見直してみましょう。(年齢・職業・健康・貯蓄も考慮して見直すのがポイントです)

5、子どもに金融教育をするいまから子どもにしっかりとした金融・金銭教育を行ってしっかりした子どもに育てておくと、親も子どももラクになります。
経済教育=貯蓄・予算化・値段比較・経済の仕組みなど、生活設計=目的意識の明確化、進学目標、人生の目的など。

子どものうちからしっかりしたお小遣い管理やお金を稼ぐことの大変さ、両親への感謝、経済の仕組み、職業意識、職業の種類、人生の目的意識、やりたいこと・なりたい人などを親子で一緒に調べ考えることで、「夢」と「お金の価値」の関係がわかるのではないかと思っております。人生の豊かさや深さにも繋がるかもしれません。
また、「だまされない」「リスク」、「経済」「経営」、「社会」などの知識・判断基準も深まるのではないでしょうか?
親と子どもが幸せな関係を築くためにも大切なことな金融教育。身近なことからはじめてみませんか?

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あさいわかこ
えっ!!!もっと早く知っていればよかったのにと思うことはありませんか? これからは知ることが、リスクを(だまされない・損をしない)回避することにもなってきます。 身近な暮らしのお金のことを知り、もっとお得に・損をせず暮らしませんか? 「教育資金」、「暮らしに役立つお金のこと(ライフプラン、節約、保険、投資など)」、 「アメリカ・オーストラリアなどの子どもの金の教育(=金融教育)」、「こどもの金銭教育」を楽しくお伝えしていきます。 「どんな時代にも負けない子どもを育てる」をモットーに育児中のキッズマネーエデュケーションアドバイザーです。

第1回 信頼関係を育もう

 春。水仙やチューリップが蕾をほころばせ、いそいそと入園式に向かう親子連れや、新学期はりきって学校に向かう子どもたちを見かける季節になりました。

幼児期の子どもを持つお母さんやお父さんにとっては、我が子の成長を改めて感じつつ、新しい環境にうまく入っていけるか、期待と不安の入り混じったまなざしでお子さんを見守っていらっしゃることでしょう。今までの、『家庭』という環境の中で、お母さんやお父さんへの信頼感や安心感をしっかり培ってきたお子さんなら大丈夫、新しい環境に入って、慣れる時間に個人差はあっても、お友達や先生との間に信頼関係を築いていけるはずです。

 「うちは信頼感や安心感をしっかり培ってきたといえるのかしら」・・・そんなに難しく考えることはありません。まだ生まれて間もない赤ちゃんの頃、お子さんが泣いたらおむつを替えたりおっぱいをあげたりしたでしょう? 表情が豊かになってきた頃も、お子さんの顔を見て微笑んだり、抱っこして一緒に笑ったり話しかけたりしたでしょう? そんな自然なスキンシップやコミュニケーションが、人に対する信頼感や安心感を育むのです。

 「でも、まだ私と離れる時泣くので心配です」・・・泣くのはお母さんとの絆がしっかり作られている証拠です。馴染んだ『家庭』という環境から目新しい部屋、まだよく知らない先生といった新しい環境への変化を敏感に感じるのは当然のことです。お母さんが明るく「いってらっしゃい」と送り出してあげてください。
先生に慣れて、周りに関心が向いてくれば「行ってきます」「バイバイ」と、すんなり離れられるようになります。いざそうなってしまうと、今度は物足りなく感じられるかもしれませんね。

 『家庭』や『園』だけでなく、『親』や『教師』も広い意味で子どもを取り巻く環境といえます。自分を取り巻く周りの環境から、子どもはいろんなものを吸収していきます。

 人格形成の基盤を作る大事な時期だからこそ、乳幼児期に子どもを取り巻く環境を整えていく必要があります。それぞれのお子さんの発達や興味をよく観察しながらアプローチするモンテッソーリ教育の考え方は、モンテッソーリ園だけのものではありません。あなたのもとに生まれてきた命が、一人の人間として自己を確立していくために、そして楽しい子育てのためにご家庭でもぜひとも役立たせてください。

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WASEDA Frontier Kids Learning Centerアドバイザー野村謡子が園での保育経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。家庭で活かせる「モンテッソーリの子どもの見方」をお伝えしていきます。

野村謡子<のむらようこ>
青山学院大学卒。息子の「子どもの家」入園をきっかけに、モンテッソーリ教育に出会う。教師のディプロマを取得後、モンテッソーリ園に12年勤務。現在も WASEDA Frontier Kidsアドバイザーをはじめ、多岐にわたりモンテッソーリ教育に携わる。

第5回 保護者パート4

 4月2日、15階のマンション通路から、小3男児が投げ出されて死亡するという事件がありました。逮捕された犯人が、子どもか女性なら誰でもよかった、と自供しています。もし、犯人の目の前に、園児が一人で遊んでいれば、男児と同じように殺害された可能性は高いということになります。
 私が、登下校時だけでなく、自宅周辺のほうがもっと危ないケースが多いとお伝えしてきたことがわかっていただければと思います。
 今回は、保護者が園児をどうしたら守れるのかということについて、できるだけわかりやすくのべてみたいと思います。
 これまでの話の中で、子どもには防犯(安全)年齢があると述べてきました。

子どもの防犯の基本的な考え方は、
 1 0?8歳までは保護年齢
 2 9?13歳は指導年齢
 3 14?17歳は性被害の指導年齢
 4 18歳以上は大人の防犯(自己責任=自力防犯)
の4段階にわけると、効果のある防犯指導ができやすくなります。

子どもの防犯といってもそれぞれ違いがありますから、最初に、その違いについて知っていただくことはとても重要です。もちろん個人差がありますから、これが厳密な区分けではないことを理解してください。平均的な基準としてということです。
 
このコラムをお読みになる方々は、1の0?8歳児の防犯についてお知りになりたいのではないかと思います。
これまでもお伝えしてきましが、この年代の子どもは片時も目を離さず、常にそばにいて保護することが防犯の基本です。
そして、園や学校関係者に子どもを手渡し、引き取るまでの時間いがいはすべて親の保護責任ということになります。
 1 通園中、通学中
 2 自宅近くの公園や路上で
 3 自宅や団地内の敷地内、建物内で、
 4 自宅に一人でいるとき
このすべての状況下で発生する、犯罪被害に対する子どもの保護責任は保護者にあるということです。
 
それから一つ忠告しておきます。
「知らない人についていってはいけません」という指導は、8歳までは役に立ちません。さらにつけくわえておけば、例え9?17歳までの指導年齢に達した子どもでも、このような曖昧な指導では役にたたないということを考えてみてください。 子どもへの防犯指導は、一つづつ具体的にわかりやすく指導することが基本です。特に14?17歳の女子には「性被害」の指導がなければ本当の防犯指導にはならないということも大事なキーワードの一つです。

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・防犯コンサルタント
・日本防犯診断士協会 常務理事

<中山 天(たかし)>
1948年 熊本県生まれ
1977年 東京出版株式会社 常務取締役就任
1982年 東京出版株式会社 代表取締役就任
1999年 社業のかたわら続けてきた自力防犯・犯罪被害の回避力に 関する研究を実践するために会社を自主閉鎖(2006年5 ?6月には再建の予定)日本防犯診断士協会の設立準備を開始
2003年 特定非営利活動法人 日本防犯診断士協会設立 常務理事就任
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第15回 気骨のあるおじさん

 私はテレビをほとんど見ません。ですが、先日、なんの番組だったか、偶然目にして、おもしろいな、と思った場面がありました。

 現在の子どもの問題を取り上げて議論するような内容だったと記憶していますが、あるタレントがこんな話をしていました。

「電車に乗っているとき、化粧直しをし始めた女子高校生がいた。隣に座っていたおじさんが、『人前で化粧なんかするもんじゃないぞ』」とたしなめたそうです。

 私は、「ほぉ、何とそういうことを言える気骨のある人がまだいたんだな」、と感心して聞いていました。すると、そのタレントが続けて「その直後、そのおじさんの携帯電話がなって、『はい、もしもし。あー、いつもお世話になっております…』って」。

 会場も爆笑、私も爆笑、というか苦笑してしまいました。

 善悪、というものの判断は、本当にむずかしいものです。時代の流れ、そのとき、場所、状況によっても、地方、個人によっても違ってきます。

 例えば、車からタバコの吸殻をポイ捨てする人もたくさんおられます。その人が、それを「悪」と思っていらっしゃらないのでしょう。でないと、あんなに堂々と捨てられません。私はよくないことだ、と考えています。

 かくいう私も、知らず知らずのうちに「悪」を行っていることと思います。しかし、自分では気づいていなことも多いと思うのです。

 みなさん自身も、また、子育てについても、善悪の基準を再確認していただくことが大切なことかもしれないな、と思う今日この頃です。

自戒の念も込めて…。

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かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)