先月号の”躾”については、如何でしたか? 悪い躾の例で、ご自身が「私のこと?」と、謙虚に思われた方、良い躾の例で「いつもそうしてるわ」と、ちょっぴり思い込みでそう思われた方、まぁ、いろいろでしょう・・・・。
要するに大切なことは、”躾”とは、お子様に指示・命令をして無理に押しつけるものではなく、『親や周りの大人がどういう姿を子どもに見せるか』なのです。
こんなこと、あんなことをお子様と一緒に考え、一緒に答えを出していくことが大切だということです。
さて、今月号では”ご主人の育児参加”について考えていきたいと思います。
少子化に歯止めのかからぬ我が国日本では、今や、男女共同参画社会が声高に叫ばれ、いろいろな施策が検討されているようですが、残念ながら、相変わらず貧弱で実質が伴わないもののようであります。
そこで、幼稚園児をお持ちのお母様方に是非とも実力行使をして頂きたいのが、お父様の育児参加なのです。
幼稚園の日々の送迎(せめて送りだけでも)、授業参観、運動会、遠足、その他、ありとあらゆる園の行事には、必ずお父様も参加して頂くことです。
考えてみて下さい、あなたのお父様のことを・・・・。そろそろ定年、ひょっとしてリストラ・・・・。淋しそうではありませんか?
あなたが結婚なさり、子どもが授かって出産の日を迎えた時、役に立ったのはお祖母様であり、お祖父様はせいぜい留守番か、その後のプレゼント提供者ではありませんでしたか?
そう、あなたのご主人にはそうなって欲しくないのです。
子どもの幸せは、自分に生を与えてくれた母親・父親が、いつも仲良く、信頼しあっていることだということなのです。
かつて私が保育園の園長をしている頃、保護者会でこんな質問を投げかけてみたことがありました。
「”子どもを作ろう”と、ご夫婦で話し合って、授かった方はいらっしゃいますか?」 そんな質問に対し、その日の参加者のうち、ご夫婦で参加なさった5組の中からたった1組のご夫婦が揃って堂々と手を挙げて下さいました。
その時私が申し上げたかったことは、先程と同様”子どもは誰よりも親に愛されて育つことが後の人格形成に大切”どんな理屈よりも親の愛情が一番なのだということを確認したかったのです。
ちなみに、そのご夫婦のお子様は、全園児中、いつも穏やかで心優しく、精神状態の安定しているお子様でした。(現在22歳、どんな青年に育っていらっしゃるのか・・・・・)。
今でもあの時の光景を思い出し、堂々と自信を持って、勇気を持って、何よりご自分たちのお子様への愛情を持って手を挙げて下さった親御様のことを忘れることができません。
幼稚園児をお持ちのお母様、だからこそ、今しておくことが、今軌道修正しておくことが、後々にどれほどの影響を及ぼすかを知っておいて頂きたいのです。
さぁ、さっそく今日にでも、ご主人とゆっくり子育てのことを話し合ってみては如何ですか?
株式会社サマンサ 鎌田妙子
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元保育園園長、鎌田妙子が、今まで学んできた子育て理論や体験談などをもとに、子育ての悩みどころに対してアドバイスしていきます。毎回身近な事柄をテーマに、子育てアドバイスをお届けしていきますので是非ご覧ください。
<鎌田妙子> 1975年、北海道大学教育学部発達心理学研究室終了、認可施設 財団法人慈愛会保育園園長として9年間勤務。施設型保育の限界を超えるべく1986年独立。当時、日本では珍しいベビーシッター事業を立上げ、現在オフィス鎌田の代表として活躍中。