Monthly Archives: 9月 2005

第26回 「親は子の鏡、子は親の鏡」

ALOHA! 日本では小さな秋があちらこちらに見つけられる頃ですね。
皆様の周辺にも、小さな秋が顔を出し始めましたか?

こちらアメリカはハリケーン・アレルギィーが広がっております。ハリケーン「カトリーナ」の教訓もあり、ハリケーンにアメリカ中が今まで以上に敏感に反応するようになったようです。目下メキシコ湾でハリケーン「リタ」が勢力を強めていますが、こちらハワイでも太平洋上に発生したハリケーンの接近に警戒を強めています。ハワイには10年ごとに大きなハリケーンが接近するそうですが、この13年間まだ大きなハリケーンが来ていないのです。今年の警戒振りは、やはり凄いです。日本でも台風のシーズンですよね。皆様方もくれぐれもお気をつけ下さいね。

私のような年齢になると、人生の見方が若い方達とは違ってくるようです。今まで自分が歩んできた人生の道のりを子ども達が歩むようになり、自分の親が歩いた人生の道のりに自分のこれからの人生を重ねることが出来るようになります。体力の衰えもありますが、やはり自分の限界を様々なことに知るようになります。これは夢や野心を忘れることではなく、それらを手に入れる為に若い頃は盲目的に突っ走っていたのが解る年頃になるという意味です。社会が人と人の繋がりで構成されていることが解ると、その中における自分の位置を確保する術を学び、その上で効率的に自分の夢や野心を追う楽しみが出てきます。また人間にとっての普遍的な知恵を理解できるようになる歳頃でもあります。

ひとつ災害対策にしても、私が耳にしていた祖父母の言葉がそのまま今日のアメリカ社会でも活かされます。私の両親が履物の商売の切り盛りでいそがしい間私を育ててくれた祖父母は、関東大震災も戦争も体験していました。物がない時代を知っていた祖父母は、包装紙や古着の再利用、非常時の水のたくわえなど、口うるさく言っていましたが、今アメリカのテレビで私が聴かされた祖父母の言葉が繰り返されています。

このように人生の前も後もやっと見通しが良くなった年頃になった私が子どもと親の関係を振り返ると、「親は子の鏡、子は親の鏡」が頭に浮かんできます。躾にしてもマナーにしても、親が自ら手本を示さないと、子どもは本心で学びません。逆に言えば、親が一生懸命生きている姿から、子どもは多くを学んでいるようです。人間一人一人性格が異なりますが、親子の絆は、性格に関係なく繋がるものです。ただし子どもも成長と同時に自我が形成されますから、親を見て同じ道を歩むのか違う道を選ぶのかは、又別の問題です。そのときにしっかりと親子の間でコミュニケーションが出来ていれば、どちらの道をとっても親子の絆は強まります。こういう長い親子の関係の流れがあることを承知の上で、幼稚園児であるあなたのお子さんを見てあげてください。

幼稚園児のお子さんの親であるみなさんはまだお若いですし、ご自分たちの家庭を築くのに忙しい年代でもありますよね。お子さんと接する時間も少ないまま、ついつい様々な情報に振り回されては、子育てに不安を感じたり自信をなくしたりしたことがありませんか。どんな情報よりも、あなたがご自分の親からされて嬉しかたことをご自分のお子さんにも示してあげて下さい。そして、短くても充実したコミュニケーションをお子さんとして下さい。そのときに自分の気持ちや感情をを素直に出して、どうしてそう感ずるのか、思うのかの理由も幼稚園児に解る言葉で伝えておく方が充実したコミュニケーションになるのは当然です。
そしてお子さんの反応から、きっとあなたも学ばされることがあると思います。
毎日少しずつでも、お子さんと共に素敵な時間をお過ごし下さい。
ノブコ タカハシ ムーア

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アメリカのコイン
アメリカにはペニーと呼ばれる1セントの赤銅色のコイン、5セントの大きなシルバー色のコイン、10セントの小さなシルバー色のコイン、そして5セントより少し大きいシルバー色の25セントのコインが流通しています。時々1ドルのゴールド色のコインもありますが、これは記念コインのようで重くあまり一般に利用されません。1ドルは紙幣が一般に使われますが、1ドルの半分の50セントには、クオーターと呼ばれる25セントのコインを2つ使います。このコイン・クオーターは一番愛用されているコインです。自動販売機や駐車場のメーターにも、公衆電話にもクオーターは大活躍です。アメリカ合州国に仲間入りした州を順番に5州ずつ選び、各州のデザインをしたステイト・クオーターが1999年から毎年出されます。このステイト・クオーターを全部集めようとするコレクターも子ども達の中に大勢います。でも、50番目の州となったハワイ州のステイト・クオーターを手に入れるのには、2008年まで待たなくてはなりません。
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多民族社会ハワイから異文化理解に役立つ情報を発信している スクール ハウス インターナショナルの運営者です。異民族間 結婚の家庭で育つお子さんの生活環境、多民族化がすすむ日本社会 で国際人教育を必要とされている日本の子どもたちの家庭環境を 一日も早く整えるために、自分の体験に基ついて語ります。 ご参考にしていただければ、大変嬉しいです。

<ノブコ タカハシ ムーア>
関東学院女子短期大学英文科卒業後、デンマークのInternational Peoples’ College で 23カ国の学生と共同生活をしながら、国際理解、国際平和を学ぶ。帰国後 民間ユネスコ活動に出会い以来30年間日本社会の国際化の最先端で様々な 国際交流プログラムを企画実施する。1993年3人の子どもたちの学校教育の為 ハワイに移民。同年それまでの体験をまとめた「集まれ!地球の子ども達」を出版。 School House International のホームページはこちら>>

第19回 子どもと感動を分かち合う ?子どもといっしょに楽しんでいますか?

 朝夕に秋の気配を感じる頃となりました。この夏、家族で旅行に出かけたり、お子さんと一緒に里帰りされたりした方もいらっしゃることでしょう。

いつもとは違うところに出かける、お子さんとの旅はいかがでしたか。
 お子さんが、色の違う電車に乗ってとても喜んだこと、生まれて初めて本物の馬を見て目を丸くしたこと、普段は聞くことのない鳥の声に耳を澄ましたこと・・・幼い子どもと一緒に出かけると、改めて気づかされることがたくさんあります。子どもの視点を得て、周りの風景を新鮮な気持ちで見ることができるからでしょう。

 子どもを連れて出かけると、安全に気を配ったり、周りに気を使ったり、眠くなってぐずぐず言い出す子をあやしたり、と「親」としてがんばらなくてはならない場面ももちろんありますよね。くたびれることもしばしばです。
 それでも、子どもといっしょに同じ体験をし、「きれいな花だね」「大きい牛だね」「お水冷たかったね」とほほえみを交わし、ともに感動できるのは素敵なことだと思いませんか。
 幼児期という、感性が育まれる大切な時期には、同じ体験を通じて共感してくれたり、いっしょに感動したりしてくれる人がそばにいることは大きな意味を持ちます。人間関係を築くうえでの基本となる「信頼感」や、人の気持ちに共感できる「やさしさ」や相手の気持ちを考える「思いやり」が生まれる背景には、周りの人との幸せな心の体験が必要なのです。

 子どもと共に楽しいときを過ごす、それは、あなたが幼い頃いろいろなものに出会って、感動したり驚いたりしたときの感触を、今度はお子さんといっしょに再び味わうことができる、幸せな時間だと思います。これも親ならではの子育ての楽しみではないでしょうか。

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新宿区河田町にあるWASEDA Frontier Kids Learning Centerの園長、橋本 恵理が、自らの子育て経験を活かし、モンテッソーリ教育の内容を身近な例を挙げながら紹介。「個性と自立心を養う」教育法であることをお伝えしていきます。

<橋本 恵理 (はしもと えり)> 早稲田大学理工学部卒業。大手保育事業会社にて認可保育園や駅型保育所などの立ち 上げ経験を持つ。2003年、幼児教育におけるベンチャー企業である?フューチャーフ ロンティアーズ取締役(COO)に就任。現在、新宿区河田町にモンテッソーリメソッ ドをベースに日本人を対象としたインターナショナルスクール WASEDA Frontier  Kids Learning Centerの園長として、また2児の母としても活躍中。