Monthly Archives: 9月 2007

第3回 ついイライラ2

夫婦でカウンセリングにやってきたクライアントさんの話です。

 奥さんが反省したように言いました。
 「子どもに強く言わないようにしなきゃって、頭じゃわかっているのに、つい泣き出すまで強く言ってしまうんです」
 ご主人が奥さんを暗に責めるように言いました。
 「子どもだって悪気があって出来ないんじゃないんだよ」
 奥さんが反論しました。
 「私だってわかっているのよ」
 ご主人は更に責めました。
 「わかっていても出来ないのは、わかっていない証拠だよ」

 私は、この夫婦の関係を少し変えてみることにしました。お互いにゆるしあえるようにしたいと思いました。
 「ご主人は子どもさんのことを心配していらっしゃるんですね。そのためにひとつ提案があります。奥様がイライラすることをゆるしてあげて欲しいのです」

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幼稚園や小中学校での講演活動や個人カウンセリングで活躍中の心理カウンセラー、倉成 央がおくるコラム式カウンセリング。 講演現場での出来事やカウンセリングなどの実体験を織り交ぜながら、様々な心理的アドバイスを紹介していきます。

<倉成 央 (くらなり ひろし)>
1963年生まれ。福岡県出身。大学卒業後、経営コンサルタント・企業経営の経験を経て、心理カウンセリングを行なう。認定心理士、産業カウンセラー、日本TA協会会員。個人カウンセリングのほか、福岡や東京で随時開催している集団カウンセリング(ワークショップ)も行なう。「今までに解決しなかった問題が一度でなおった」「別人のように明るく、前向きになったといわれる」など、カウンセリング技術の高さには定評がある。学校施設、企業などにおいて講演活動も活発に行なっている。

不登校・いじめ・母親のストレスなどの子育て問題、恋愛・夫婦関係などの問題、起業におけるモチベーションアップなど、様々な分野で活躍をしています。
倉成 央 著 「ゆるしのメッセージ」

第2回 ついイライラ1

「何回も言ってるでしょう!」
「何で、ちゃんとできないの?」
「何回言ったらわかるの?」
「もう!いい加減にしてよ!」

 子どもについイライラしてしまうことがあります。多くのお母さんは、イライラしてしまった後、自分を責めてしまいます。

「またやってしまった」
「何で、私は優しく言ってあげれないのかしら」
「何で、あんな言い方してしまったのかしら」

 こんな心の声は、全部自分を責めていることを知っていますか?
 自分を責めると、またイライラします。自分を責めると、嫌な気分になります。そして、自分を責めると、また同じ事を繰り返します。
 イライラした自分をゆるしてあげませんか?

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幼稚園や小中学校での講演活動や個人カウンセリングで活躍中の心理カウンセラー、倉成 央がおくるコラム式カウンセリング。 講演現場での出来事やカウンセリングなどの実体験を織り交ぜながら、様々な心理的アドバイスを紹介していきます。

<倉成 央 (くらなり ひろし)>
1963年生まれ。福岡県出身。大学卒業後、経営コンサルタント・企業経営の経験を経て、心理カウンセリングを行なう。認定心理士、産業カウンセラー、日本TA協会会員。個人カウンセリングのほか、福岡や東京で随時開催している集団カウンセリング(ワークショップ)も行なう。「今までに解決しなかった問題が一度でなおった」「別人のように明るく、前向きになったといわれる」など、カウンセリング技術の高さには定評がある。学校施設、企業などにおいて講演活動も活発に行なっている。

不登校・いじめ・母親のストレスなどの子育て問題、恋愛・夫婦関係などの問題、起業におけるモチベーションアップなど、様々な分野で活躍をしています。
倉成 央 著 「ゆるしのメッセージ」

第1回 今回から

 今回から、「ゆるしのメッセージ 子育て編」と題して、もっと楽に子育てする方法をさまざまな種類の「ゆるし」を通じて書いていきます。

 私は心理カウンセラーをやっていますので、私の元には多くのクライアントさんがいらっしゃいます。その中には現在子育て中の方もたくさんいらっしゃいます。子育て中の方々の多くは、頭の中で、
 「このままじゃダメだ」
 「まだまだ」
 「何で私は他のお母さんみたいに出来ないんだろう」
 「なんでちゃんと言うことを聞かせられないんだろう」
などと、“自分を責めて”います。もちろんこれは相手を責めるという意味とは少し違います。心の声で、自分を責めているのです。

 自分を責めると、あせり、イライラ、自己嫌悪、憂うつ感、不安感、嫌悪感、自信喪失、罪悪感、といった感情を生み出してしまいます。そして、その結果、よけいにうまくいかなくなってしまうのです。

 逆に、自分をゆるすと、心地よい感情を生み出していきます。心地よい感情は良い結果を生み出すことが多いものです。

 もっと楽に、子育てを楽しむために、自分をゆるすことをやってみませんか?次回以降、事例を交えながら、ゆるしのメッセージを紹介していきます。

 最後に、このコラムの目的をハッキリさせておきたいと思います。

 このコラムは、「?しなければならない」「子育ては?あるべきだ」という考え方を述べて、子育てを苦しくしていくものではありません。コラムを読んで、「なんかちょっと楽になった」「子育てが楽しくなっていった」という気持ちになっていただきたくて書きます。皆さんも、自分をゆるし、もっと楽に子育てに取り組みませんか?

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幼稚園や小中学校での講演活動や個人カウンセリングで活躍中の心理カウンセラー、倉成 央がおくるコラム式カウンセリング。 講演現場での出来事やカウンセリングなどの実体験を織り交ぜながら、様々な心理的アドバイスを紹介していきます。

<倉成 央 (くらなり ひろし)>
1963年生まれ。福岡県出身。大学卒業後、経営コンサルタント・企業経営の経験を経て、心理カウンセリングを行なう。認定心理士、産業カウンセラー、日本TA協会会員。個人カウンセリングのほか、福岡や東京で随時開催している集団カウンセリング(ワークショップ)も行なう。「今までに解決しなかった問題が一度でなおった」「別人のように明るく、前向きになったといわれる」など、カウンセリング技術の高さには定評がある。学校施設、企業などにおいて講演活動も活発に行なっている。

不登校・いじめ・母親のストレスなどの子育て問題、恋愛・夫婦関係などの問題、起業におけるモチベーションアップなど、様々な分野で活躍をしています。
倉成 央 著 「ゆるしのメッセージ」

第27回 機会の平等・結果の不平等

私はよく、「個性」の話をします。ある一定の型・基本ができた上に、出てくるものが個性だと。

たとえば、デッサンの基本もできていないのに、キャンバスに絵の具を塗りたくり、「僕の作品です」と、画商に売りに行ってもまず相手にされないことでしょう。もちろん、よほどの天才を除いてですが、そんな天才はほとんど現れません。やはり、基本が大切になってくるのです。

そして、その上で、もちろん個性は、人それぞれによって違ってきます。子どもたちでは、楽器を演奏するのが得意な子、絵を描くのが好きな子、積み木で上手に遊ぶ子、走るのが速い子、思いやりの心を人一倍持った子、上手に手伝いのできる子、などなど。

有名な話ですのでみなさん、ごぞんじかと思いますが、ある学校で、運動会の時、徒競走でスタートの時、竹の棒を持って走り出す、ということが行われていました。みんなが、平等にゴールするため、差別をなくすためだそうです。「ヨーイ・ドン!」で、一直線で走り出し、仲良く一緒にゴールする。

これはおかしなことだ、と思うのです。前述のように、個性にはいろいろなものがある。走るのが速い子もいる、遅い子もいる。それは、差別などではありません。第一、そのような徒競走を見ていて楽しいわけがありません。

社会は、やはり「機会の平等・結果の不平等」で成り立っているものなのです。子どもたちにももちろん機会を平等に与えなければならない。しかし、個性はさまざまです。出てくる結果もさまざまでしょう。よい個性は伸ばし、悪いものはおさえていく、それが教育であり、子育てなのです。

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幼稚園ねっとにご登録いただいている幼稚園コラムです。 各幼稚園のコラムを順次ピックアップして紹介していきます。

かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)

第27回 機会の平等・結果の不平等

私はよく、「個性」の話をします。ある一定の型・基本ができた上に、出てくるものが個性だと。

たとえば、デッサンの基本もできていないのに、キャンバスに絵の具を塗りたくり、「僕の作品です」と、画商に売りに行ってもまず相手にされないことでしょう。もちろん、よほどの天才を除いてですが、そんな天才はほとんど現れません。やはり、基本が大切になってくるのです。

そして、その上で、もちろん個性は、人それぞれによって違ってきます。子どもたちでは、楽器を演奏するのが得意な子、絵を描くのが好きな子、積み木で上手に遊ぶ子、走るのが速い子、思いやりの心を人一倍持った子、上手に手伝いのできる子、などなど。

有名な話ですのでみなさん、ごぞんじかと思いますが、ある学校で、運動会の時、徒競走でスタートの時、竹の棒を持って走り出す、ということが行われていました。みんなが、平等にゴールするため、差別をなくすためだそうです。「ヨーイ・ドン!」で、一直線で走り出し、仲良く一緒にゴールする。

これはおかしなことだ、と思うのです。前述のように、個性にはいろいろなものがある。走るのが速い子もいる、遅い子もいる。それは、差別などではありません。第一、そのような徒競走を見ていて楽しいわけがありません。

社会は、やはり「機会の平等・結果の不平等」で成り立っているものなのです。子どもたちにももちろん機会を平等に与えなければならない。しかし、個性はさまざまです。出てくる結果もさまざまでしょう。よい個性は伸ばし、悪いものはおさえていく、それが教育であり、子育てなのです。

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かすが幼稚園 理事長・園長 米川安宜
京都市右京区の私立園。園長は同志社大学法学部卒業後、國學院大學で神道学、佛教大学で幼児教育を学ぶ。キリスト教、神道、仏教と三つの宗教の大学で学んだ特異な経験をもつ。「子どもは大人よりも能力が高い」という目で子どもと関わり、子どもの脳の発達にあった教育と、積極的な心構えを育てる新しい幼児教育を行っている。また、「幼児期こそ、しつけの最適期」として、しつけ・礼儀、道徳教育も重視している。 (http://www.kasuga.ed.jp/)