幼稚園見学隊がゆく
のびのび遊ぶ「うのもり」の子どもたち
のびのび遊ぶ「うのもり」の子どもたち

夏休みも終わったばかりの2008年9月、埼玉県さいたま市浦和区にある、厚徳幼稚園で、「子どもたちを守るための防犯の基礎知識」講演会が催されると聞き、お伺いさせていただいた。

JR北浦和駅と降り立ち、歩くこと数分、厚徳幼稚園の母体である廓信寺が目に入る。と同時に、運動会の練習だろうか、楽しげな音楽と子どもたちの歓声が聞こえてきた。

園庭は通りから全て見通せるので、お母さんたちが何人か、通りから子どもたちのダンスに目を細めておられる。

「園庭はお寺に面した通りから全て見ることができますから、よくお母様たちが子どもたちの様子を見ていらっしゃいますよ」と説明してくださったのは、淤見(おみ)園長先生。

「心配ならいつ見に来ていただいてもいいのです」。 そんな園長先生の言葉は、新入園児のお母様方にはなんとも心強い。そんな女性らしい柔らかい視点を持ちながら、「より安全に子どもたちをお預かりしたい」という園長としての強い思いで、今回、このような子どもたちを守るための講演会を主催された。

のびのび遊ぶ「うのもり」の子どもたち
のびのび遊ぶ「うのもり」の子どもたち

今回の講師である中山たかし先生は、防犯コンサルタントとして全国を飛び回り、特に、子どもを守れる家庭、園、学校、地域作りに力を注いでおられる。子どもの安全が脅かされるような事件が多発する昨今、小さな子どもを持つお母様方には「子どもたちを守るための防犯」というテーマは大変興味深い。会場である幼稚園のホールに入ると、既にたくさんのお母様方が集まっておられた。

「自分でしか守れない」という防犯の基本を前提に、4~8歳の幼稚園世代の防犯について講演は進む。そして、親は常に子どもから「目を、手を離さないこと」、「このロープの中で遊ぼう」といった物理的具体的な制限を与えることなど、私たちが日々の生活で実践できそうな防犯の知恵を教えていただいた。

講演終了後、中山先生が園の内外をまわられ、園の防犯体制について診断された。診断後、神妙な面持ちの園長先生に、「かなりいいですね。何点か問題はありますが、園全体として、犯人が犯行をイメージしづらいのです。この犯行をイメージ化しにくい環境というのが、とても大事なんですよ」と中山先生。

見通しが良く明るい、住宅に囲まれた厚徳幼稚園は、空き巣も敬遠するような環境にあるそうだ。

「子どもたちを守るために何が大事なのか、よくわかりました。お母さん方にも、とても良いお話だったと思います」―園長先生も「防犯」と「心を育てる」ということの密接な関係に、新鮮に感動しておられる。

また、たくさんの学校、幼稚園を廻られている中山先生も、「子どもたちが、自分から挨拶してくれることに驚きました。こういう幼稚園はそうそうないですよ」と、厚徳幼稚園の子どもたちの明るさ、礼儀正しさに感心されていた。

携帯電話を活用した緊急連絡網や、今回のような防犯意識を高める啓蒙活動など、よりより幼稚園へ積極的に努力し続ける厚徳幼稚園。秋晴れの空さながらの明るく元気な園長先生のもと、素晴らしい挨拶のできる子どもたち、熱心に講演会に聞き入るお母様方が印象に残る、とても穏やかで、爽やかな一日となった。

学校法人相模原学園 うものり幼稚園

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