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うちの子大丈夫?視力低下

かわばた眼科

自身が近視であると特に、我が子の視力は気になります。めがねやコンタクトを装着せねばならない煩わしさを知っているだけに、「何とか、視力を落とさないようにがんばるぞ!」と、決意しているママパパも多いのではないでしょうか?実は私もその一人・・・。子どものちょっとした仕草にも、もしかして視力の低下??と心配です。

そんな「我が子の視力を保ちたい」ママを代表して、子どもの眼について詳しい、千葉県浦安市・かわばた眼科の川端秀仁院長にお話を伺ってきました!

かわばた眼科

取材協力:かわばた眼科(http://www.kawabataganka.com/
〒279-0012 千葉県浦安市入船4-1-1 新浦安中央ビル3F 
TEL:047-700-6090

視力低下=近視という誤解



―― 「幼稚園ねっと」に訪れる、主に2~6歳の幼児を持つ親にとって、「子どもの視力」はとても関心のある問題です。「近視」にならない為にはどのような事を注意すべきでしょうか。


川端院長 

  まずは、視力低下が全て「近視」ではない、ということを理解していただかねばなりません。特に2~6歳というと、近視よりはむしろ「遠視」が心配です。幼児期の「遠視」については、後ほどまた説明しますが、その他にも、視力低下の原因には、乱視や一般的に仮性近視の原因にもなる調節緊張などが考えられます。

めがねやコンタクトが煩わしいと思う余りに、近視が悪いもの、と考える人が多いのですが、近視は、少ないピント調節で近くにピントが合い、楽に近くを見ている状態であり、決して悪い眼ではないのですよ。楽に近くを見ることができるが、そのかわり、遠くが見えにくいのが近視です。

例えば、背の高い人、低い人がいますね。成長ホルモンが出過ぎて、異常に身長が伸びた場合は病気であるけれど、そうでなければ病的ではなく、そのような身体的特徴が、親から遺伝したものと考えられます。同様に、近視、遠視も遺伝的要素が強いものであり、病的ではないものがほとんどです。

ともあれ、視力が落ちているのでは?と思われるサイン(目を細める、テレビなどに近づいて見るようになるなど)に気づいたら、「近視」と決めつけるのではなく、医師のもとで、適切な眼科検診を受けることが大切です。

視力の常識、実は非常識

川端院長 

近視=病気、悪いもの、のような考え方の他にも、視力に関しては、いわゆる世間一般で言われている事が誤解であることがいくつかあります。その一つが、仮性近視。近視の度合が弱いものが「仮性近視」であり、強いのが近視、また、仮性近視が悪化すると近視になる、と理解されている人もいらっしゃるかもしれませんが、どちらも間違っています。正しくは、近くを見るときのピント合わせの緊張が、遠方を見る際にも、解除せず残ったために、近視の状態になっているのが仮性近視で、調節の緊張がその原因です。先ほど、近視は「楽に近くを見ている状態」と説明しましたが、反対に、緊張した「楽ではない」状態を維持し、近くにピントを合わせているのが仮性近視であり、近視とは違います。

仮性近視は、調節麻痺の目薬、生活習慣の改善、トレーニングなど、ピント調節の緊張をほぐすための治療の対象になります。しかし、近視は治療ではなく、日常生活に不都合がある場合、めがねやコンタクトによって矯正するもので、医師としての対応も全く違います。また、めがねをかけると近視の度合いが強くなる、というのも間違いです。めがねは、特に幼少期には、周りにからかわれたりして敬遠されがちですが、近視によって、生活や学習に不便があるようであれば、適切に矯正する必要があります。これから、小・中学校へ進む過程での視力低下では、「近視」の割合が多くなってきますので、是非理解しておいてほしいですね。

幼児期の視力低下は「遠視」を疑え



―― 「幼稚園ねっと」に訪れる、主に2~6歳の幼児を持つ親にとって、「子どもの視力」はとても関心のある問題です。「近視」にならない為にはどのような事を注意すべきでしょうか。


川端院長 

  まずは、視力低下が全て「近視」ではない、ということを理解していただかねばなりません。特に2~6歳というと、近視よりはむしろ「遠視」が心配です。幼児期の「遠視」については、後ほどまた説明しますが、その他にも、視力低下の原因には、乱視や一般的に仮性近視の原因にもなる調節緊張などが考えられます。

めがねやコンタクトが煩わしいと思う余りに、近視が悪いもの、と考える人が多いのですが、近視は、少ないピント調節で近くにピントが合い、楽に近くを見ている状態であり、決して悪い眼ではないのですよ。楽に近くを見ることができるが、そのかわり、遠くが見えにくいのが近視です。

例えば、背の高い人、低い人がいますね。成長ホルモンが出過ぎて、異常に身長が伸びた場合は病気であるけれど、そうでなければ病的ではなく、そのような身体的特徴が、親から遺伝したものと考えられます。同様に、近視、遠視も遺伝的要素が強いものであり、病的ではないものがほとんどです。

ともあれ、視力が落ちているのでは?と思われるサイン(目を細める、テレビなどに近づいて見るようになるなど)に気づいたら、「近視」と決めつけるのではなく、医師のもとで、適切な眼科検診を受けることが大切です。

テレビを見る時気をつけること



子どもの眼の健康のために親ができること

―― 「幼稚園ねっと」に訪れる、主に2~6歳の幼児を持つ親にとって、「子どもの視力」はとても関心のある問題です。「近視」にならない為にはどのような事を注意すべきでしょうか。


川端院長 

まずは、姿勢、照明、そして、栄養です。幼児期ですので、机に向かい勉強する機会は少ないかもしれませんが、背筋を伸ばし、椅子に深く腰掛ける姿勢をとる、適度な明るさの照明を用いることは、小さい頃から習慣づけたいですね。そして、鉛筆の持ち方にも要注意です。正しい持ち方をすれば、自然と良い姿勢になりますので、子ども任せにせず、きちんと教えてあげてください。

あと、これはあまり一般的に言われていない事かもしれませんが、食べ物も健康な眼には重要です。眼球の壁である白目の部分を強くすると言われている食べ物と、反対に眼の健康には、取りすぎは良くないと思われる食品をまとめた表(※下)を参考に、バランスの良い食事作りを心がけてください。

また、幼児期にはあまり関係ないのかもしれませんが、近年、ゲーム機による子どもの視力低下が多く見られます。同じゲーム機でも、テレビゲームよりは、携帯型ゲームの小さい画面を、手許に引き寄せて熱中する方が、調節緊張を起こしやすく、眼のためにはよくありません。例えば、ゲームは一日30分までと決める、調節緊張による視力低下が認められた場合、一時禁止にするなどの対策も必要になってきます。

※参考資料

近視を進ませないために

正しい鉛筆&箸の持ち方

眼科医からパパママへ



―― 最後に、幼稚園ねっとに集まるパパママへ、メッセージをお願いします。


川端院長 

  幼児期というと、ちょうど文字を書いたり、絵を描き始める時期ですが、「文字がうまく書けない」「簡単な絵をまねすることができない」など、気がつくことはないですか?多くは、発達の途上で心配ないのですが、中にはそうした事の原因が、視覚認知の発達に問題がある場合があります。

「視覚認知」というのは聞き慣れない言葉だと思いますが、簡単に言うと、今見ている対象が何であるかを正しく把握し、その意味を理解することです。人は外界からの情報の多くを、視覚から取り入れており、視覚機能は、学習や手先の作業、日常の全身運動の基盤となります。 しかし、視力が正常で、よく見えていても、それを理解しなければ意味を持たず、何を扱うべきか、何を行動すべきかわからないという事態に陥ります。幼児期では、視力に異常はないが、絵が描けない、すぐとなりにある文字をまねして書けない、落ち着きがなく集中できないなどの形で発現することもあります。主に、就学期以降に問題となる、ACHD(注意欠陥 多動性障害)、LD(学習障害)も、こうした視覚認知の発達と関係のある場合が少なくありません。

かわばた眼科のホームページには視覚認知の発達に関するチェックリスト(学習に関連する質問は、就学年齢以上を対象)、また、視覚認知検査の模擬テストの体験ができるページがありますので、これらで気になる結果がでた場合、眼科検診とともに、視覚認知検査を受けることをおすすめします。視覚のメカニズムの異常を、幼児期に気づいてあげることは、そうした子どもにとっては、とても重要です。視力低下と同様に、注意深く、お子さんの様子に気を配っていただければ、と思います。


週末の午後の診療後、お疲れの様子も見せず、「眼」について、全く無知な私の質問に丁寧に答えてくださった川端先生。常ににこにこと笑顔で説明してくださる、その医師としての真摯な姿勢、これなら、小さな子も安心して診ていただけること間違いなしです!
我が子も、川端先生に診ていただこう、と決意しながら、マリナーゼの街・新浦安を後にしました。川端先生、お忙しい中、本当にありがとうございました。

第一回終わり


先生

医学博士・川端秀仁院長プロフィール

大阪大学理学部数学科を卒業後、早稲田大学工学部大学院で累進焦点レンズについて研究。
視機能検査他、眼やめがね、コンタクトレンズの光学を極めた文字通り「めがねのプロ」。
その後、千葉大学医学部に進学、卒業後は同大学大学院にて近視を研究する。山王病院
(千葉市)の眼科部長として勤務の傍ら、千葉大学にて、主として子ども達の近視、遠視、斜視、弱視や、視力の出にくい人のロービジョン外来を担当。
現在は、千葉県浦安市「かわばた眼科」院長。

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